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SMILE!
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五十嵐を待たせるのも嫌だったので水やりをさっさと終わらせた。椅子に座っている五十嵐に近づくと、五十嵐はうとうとしていた。


「…五十嵐、」


ぽつりと名前を呼ぶと五十嵐は欠伸をして目を開けた。


「……終わった?」


コクンと頷くと五十嵐は椅子から立ち上がり、またおれの手を取った。


「…五十嵐…、どこ行くんだ?」

「……散歩?」


何故、疑問形
歓迎会中に散歩なんかしてても大丈夫たんだろうか?それにしても、おれと五十嵐が手を繋ぐ理由が分からないんだが。

温室を出て、校舎近くを五十嵐とうろうろと歩く。
歩いていると、五十嵐が急に立ち止まり、おれを背中の後ろに隠した。


「やっと見つけた…と思ったら、厄介な奴と一緒にいるなあ」


そこには加賀谷がいた。


「おい、五十嵐そいつ渡せ。鍵、そいつだろ?」

「…ダメ」


何で、おれが鍵だって加賀谷は知ってるんだ?


「…五十嵐、おれ」

「…ダメ」


まだ何も言ってない。
ただ、おれは加賀谷と話してみたいと思っただけで。


「…じゃ、じゃあ…10分だけ」


そのくらいなら、加賀谷と話しても大丈夫だろう。
ジーッと見つめてくる五十嵐。10分はダメなのか?


「…じゃあ、5分…」

「……3分」


…3分…、仕方ない、か。
五十嵐を待たせるわけにもいかないし。


「…わかった、3分で帰って来るから」

「……絶対」

「…はい」


返事をすると、五十嵐は繋いでいた手を話してくれた。
加賀谷の側まで行くとついて来いと言われ、大人しく加賀谷の後ろをついて歩く。ふと五十嵐を振り向くと無表情だったが、どこか嫌そうな顔をしていた。

ついたのは誰も来ないような林の中。そこには一つベンチが置いてあった。
加賀谷はベンチに座ると、おれを手招きした。ちょっとだけ加賀谷に近づく。


「そんな警戒しなくても、指輪取らねぇから安心しろよ」


指輪を取るつもりないのに、何でおれを探してたんだろう?というか、何でおれが鍵だってわかったんだ?


「…何で、おれが…鍵だって、わかったんだ…?」

「勘」


勘って…


「紅の担当が四日続くなんて事は今までなかったし…、もしかしたら、お前が鍵かもなあと思ったわけだ。で、暇だったんでお前を探してたんだよ」


歓迎会中なのに暇なのか。今回は赤塚が鍵だから加賀谷は暇という事か。



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あきゅろす。
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