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SMILE!
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「そして、逃げる奴は三人。各チーム一人ずつだ」


たった三人…すぐに捕まってしまうんじゃないのか?


「逃げる奴を鍵って言うんだ」


……は?逃げる奴の事を鍵って言うのか?ちょっと待て、隠岐は何て言った?
明後日の歓迎会、お前が鍵だ
隠岐はそう言った。歓迎会って、生徒だけのものじゃないのか?


「鍵は、ハチマキじゃなく指輪をつける事になってる」

「鍵はもう決まってるでしょ」

「……誰、なんですか?」


決まってる…?なのに隠岐は、おれを鍵にしようとしてるのか?


「指輪はね、簡単に取られちゃダメなの。だからずっとチームのリーダーが鍵になってきたのよ」


じゃあ今回だと、生徒会は加賀谷で風紀は委員長で…紅は、隠岐が鍵。隠岐は何で、おれを鍵なんかにしたいんだろう。
さっぱり、分からない。


「鍵になった奴は、指輪を守る。同じチームの奴は鍵を守る。敵のチームは指輪を取る。これが歓迎会だ」


全然、歓迎会じゃない。


「もし、指輪が敵のチームに取られてしまった場合、一ヶ月場所取られちゃうのよ」


え?場所?どういう事だ。


「生徒会だったら生徒会室、風紀だったら風紀管理室、紅だったらあの棟を、指輪を取ったチームが一ヶ月使用できるの」

「その変わり、取られたチームは一ヶ月居場所がなくなる。まあ、今までの歓迎会でそんな事は一度もなかったけどな」


居場所がなくなるってかわいそうだな。でも、よく考えたら大変な事だ。もし紅が生徒会室を使用出来るようになったら、全ての情報が紅の手に渡り、その逆だったら、生徒会と風紀に情報が渡る。
でも、黒川だったら関係なしに調べそうだけど。
それが嫌だから、チームのリーダーが鍵になるんだろう。


「今回もそんな事ないだろうけど、ルールがない分、親衛隊はやりたい放題だ」


じゃあ、赤塚は危なくないか?
大丈夫なんだろうか…


「歓迎会の時、一応はっちゃんも気をつけてね」

「…はい」

「さて、帰るわよ桐也」

「…ああ」


桐也先生は若干嫌な顔をしていたが、ベッドから立ち上がった。
そして、真樹先生はおれだけに聞こえるように耳元で言った。


「ケガ、顔だけじゃないでしょ?痛くなったらいつでも言うのよ。手当てしてあげるから」


じゃあね、はっちゃんと真樹先生は桐也先生を連れて出て行った。真樹先生には、バレバレだったのか。さすが、保健医。



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