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SMILE!
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「そんなの関係ないんだよ!杏ちゃんに近づく奴は許さない」


親衛隊の数は六人。
そのうちの一人が近づき赤塚の腕を掴んだ。
黒川の言葉が頭をぐるぐる回る。
はっちんはさ、そういう生徒がいたら…どうする?
親衛隊にイジメられている生徒がいたら、おれはどうする?
あの時は答えられなかった。そんな状況に合うなんて思ってもみなかった。

ただの用務員に期待しちゃダメだね
そうだ、おれはただの用務員で、この学園の生徒でも、教師でもない。期待されても、それに応えるような力も能力もない。
だけど、目の前で困ってる人を見捨てるほど、おれは最悪な人間じゃ、ない。

今、行動しなければ駄目なんだ。


「………や、めろ」


赤塚の腕を掴んでいた生徒の腕を掴む。


「江夏さん!?」

「はぁ?もやしが何の用だよ」


おれに気を取られたのか、赤塚から手を離した。
赤塚を後ろに隠す。


「どけよ、邪魔なんだよ」


どうにかして赤塚だけでも逃がしたかった。幸い赤塚は親衛隊から離れているし、おれが何とかすれば逃げれるはずだ。


「おい、早くしろよ」

「分かってるっつーの!」


親衛隊が何やら、揉め始めた。赤塚に小声で話しかける。


「……に、げろ」

「え?」


後ろにいる赤塚を振り返り、軽く肩を押す。今なら、赤塚だけなら逃げれる。赤塚は小さいし、大丈夫だろう。


「…早く、行け」

「えっ、でも!」


叫ぶな、親衛隊に気付かれる。


「…早く」


今度は強めに肩を押す。
赤塚は顔を歪め、親衛隊とは逆の方向に走り出した。足は速いらしく、赤塚の後ろ姿はどんどん小さくなっていった。


「おい!赤塚逃げてんぞ!!」


その叫び声で一斉に、こっちを向く。赤塚はもう遠くまで逃げていた。


「おい、もやし、覚悟出来てんだろうなぁ?」

「……、」


六人に囲まれた。
もう、逃げれない。


「気持ちワリィんだよ!!」


ドスッとおもいっきり、お腹を蹴られた。隠岐に蹴られた時以上の痛み。隠岐はあの時、手加減してくれたんだと、今知った。



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あきゅろす。
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