SMILE!
話し
「どうだった、紅の連中は」
テーブルの上に置いてあったおれの麦茶を飲む桐也先生。桐也先生に飲むなとか言っても、無駄な気がする。
「……どうって…個性的…?」
それしかいいようがない。
青柳はコウモリ傘持ってるし、黒川は常にパソコンしてるし、木野は……普通だった。あの中じゃ1番普通。ただ、見た目が不良っぽいだけ。五十嵐は、不思議な奴だった。隠岐は、威圧感がすごかった。
「個性的、か。まあそうだな」
そういえば、桐也先生は生徒会の担当。生徒会にはどんな生徒がいるんだろうか。
「…桐也、先生」
「何だー、はちー」
手を伸ばして、よしよしと頭を撫でてくる桐也先生。
「……せ、生徒会の、生徒は、どんな、感じなんですか」
「あー、自意識過剰集団」
自意識過剰って、なんだ。
もっと分かりやすく説明して欲しい。
「生徒会の事、紅の奴らに聞いたか?」
「……はい、親衛隊を、放置してるって」
「その通りだ。オレの言う事なんざ、聞きやしねぇ。自分達が1番偉いって思ってんだよ。まあ、生徒会全員がそういう訳じゃねぇけどな」
頭の中が、ごっちゃりして来た。全部初めての事だから混乱する。
「生徒会も風紀も紅も、同じようなもんだ。」
「……そうですか」
「ま、そのうち会う事になるかも、しれないぜ、生徒会」
…何でだ。紅でいっぱいいっぱいなのに、
「会長の名前、知ってるか?」
知らない、と首を横に振る。
生徒会はさっき会った矢沼しか知らない。入学式の時はろくに顔も見れなかった。
覚えているのは、桃色の髪をした生徒と会長であろう金髪の生徒だけだ。
生徒会長の名前なんて知らない。
「加賀谷一沙。生徒会長の名前だ。一応、覚えとけよ」
加賀谷一沙か。忘れないようにしないと。
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