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SMILE!
3



はあと深いため息をつく。
なんて面倒臭いメンバーなんだ。これに委員長か会長がいたら、まだマシなんだけどな。


「依鈴、ごめん!」


何故か武伊が謝ってきた。お前は全然悪くない。


「何で武伊が謝るんだよ」

「でも、いろいろ迷惑だろ?あの人達…」


そう言った武伊はちょっと嫌そうな顔をしていて、武伊は赤塚の事、どうでもいいのかと気付いた。


「まあな。武伊は赤塚の事、どうでもいいのか?」

「うん」


即答。
武伊がここまで興味持たないのも珍しい。そして武伊は俺だけに聞こえるように言った。


「だって俺、好きな人いるし」


武伊に好きな人?
今まで誰とも噂がなかった武伊に好きな人。すごく気になった。


「誰なんだよ」

「秘密!依鈴は絶対知らない人だからな!」


俺が知らない人?今年入学した奴らか?しかし、中等部からの奴らなら大抵は知ってる。
武伊が誰を好きなのか気になったが、やっと武伊にも春が来たか、とその時は思っていた。
でも、まさか武伊の好きな人が、八さんだとは、この時の俺は知るよしもなかった。


「咲と菊待たせてるから俺もう行くな」


騒ぎの中に来てみたものの、こんな面倒臭いメンバーはほっとくに限る。武伊に声をかけて、二階席へ行こうとしたが、武伊もついて来た。


「俺も行く。あの人達に付き合ってられないし!」

「そうだな」


武伊と二人で、咲と菊の待つ二階席へ向かう。


「あ、武伊だ」


咲達の反対側の席に座る。
咲は武伊に向かって手を振った。


「武伊、いいの?あの外部生ほっといて」

「俺、風太に興味ないし。面倒臭い!」


武伊の言葉に咲と菊は声を出して笑った。


「そーなんだ。俺てっきり生徒会全員あの子に惚れてるのかと思ってた」

「僕も」

「全員じゃない。俺と会長は風太に興味なし!それに副会長達だって、遊んでるだけじゃないかな」


会長と武伊は興味なしで、副会長達は遊び?遊びにしては嫌な遊びだから、やめてほしいんだが。
そういえば、うちのめんどくさがりの委員長は赤塚の事をどう思っているんだろうか…
頭の片隅でそんな事を考え、昼飯を注文した。


「そういえば、もうすぐ歓迎会もあるね」


菊の言葉にああそういえばそうだったなと思いだした。
歓迎会か、あんまりいい思い出はないな…



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