SMILE!
面白い side.美涼
「何か、面白くなりそうだねぇ」
笑って言うと、千里は頷いた。
晃雅は不満そうだけど。
「それにしても、用務員を担当にするなんて、オレ達もナメられたもんだよな」
「そうだねぇ。でも、はちゅは他の奴らとは違うでしょー、あきらかにねー」
はちゅは違うと思う。おれの勘。
でも、まだ分からない。
はちゅがおれ達の邪魔をするなら、そこまでだ。
「こうちゃんはあの用務員どう思う?」
「ただの馬鹿犬だろ」
千里の問いに晃雅は一言答えるとそれ以上は何も言わなかった。
もし、はちゅじゃなくて、教師が担当になってたら晃雅はもっとキレてたと思う。
だって紅の担当、ほとんどは晃雅に殴られてやめていった奴ばっかりだし。
「宰、どこ行くんだ?」
宰が教室から出て行こうとしていた。ゆっきぃが話し掛けると宰は外と簡潔に答え出ていった。
宰は相変わらず無口だなぁ。
「あ、そういえば、生徒会にお気に入りが出来たらしいよ」
千里が思い出したように声をあげた。
生徒会にお気に入りねぇ…
「へぇ、名前はー?」
「赤塚風大、外部生なんだって。ほら見て。生徒会の連中が好きそうな顔してるよ」
千里がパソコンの画面をおれ達三人に見えるように向ける。
そこには可愛い少年がちょっと不機嫌な顔で映っていた。
「晃雅、ホント面白くなりそうだねぇー」
ニッコリと笑って言うと晃雅は、眉間にシワを寄せた。
ああ、ホント面白い。
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