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愛の再確認テスト(ルッチ)



「いまから睡眠をとる」

「長官に呼ばれていた」

「来週から長期任務だ」










      二
      人
      で
   時  過
   間  ご
   が  す
   な   
   い   




そっと顔を近づかせて愛しい顔に語りかける。

『ねぇルッチ』

「…」




って返事なしかよ!


『今度の休み空いてない?ほら任務も一通り終わったわけで…』

「無理だな。ミーティングが入ってる」

『あー…そう』

「それよりもヒロインちゃん。今からちょっとカクのとこまで行って来い。奴に書かせなければならん報告がある。」

『……え゛』



なんだかな。チューもなし。ハグもなし。手をつなぐことも絡み合うことも、ましてやメイクラブ!だなんて…!!(おまけにパシリ)




‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥



『どー思う!?』

───バシッ

「痛…」

カクに渡してくれと言われたブツをカクの頭にそのまま殴りつける私。分かってる。分かった上での八つ当たりさ!


「お前さんの気持ちは痛いほど分かった」

『ありがとう』

「普通彼女に手ぇ出さんかったら男のが耐えられんのじゃがの」

『ふっ。分かるでしょ?うちのハニーはガードが固いのよ』

「お前さんは旦那か。して、ご近所のカクさんに相談するんか」

『そーゆーことです。よろすくお願いします』


「はぁ…面倒じゃ…」


『えー、それ言っちゃう?』

「…分かった」

『お!』

「これはもう…アレしかないの」

『…………アレ?』

「"愛の再確認テスト"じゃ」

『愛の……再確認テスト?』

「とにかく俺の言うとおりにやってみるんじゃな!」



まあ!なんて協力的で親切な人なのかしら位にしか彼のことを思っていなかった私。

この時、カクの目が笑っていたのに気づかなかったのは私のせいなのか否か。



‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥



昼休み。エニエスロビーの海兵たちが休憩するための自由な時間。もちろん私の愛しい人も廊下でブルーノと他愛のない談笑をかましている。




『え、本当にやるの?』

「当たり前じゃ。」





位置:廊下
距離:50メートル先

愛の再確認テスト
問1:コミュニケーション



思いっきり、
深く、息を吸って…


『ルッチぃいいいいー!』











「…誰か呼んだか…?」


え、ちょ、気づいてよ!


『ルッチいいー!こっちー!』

「?…そこに居るのは…ヒロインちゃんか?」



気付いた!よし、カクの言うとおりに…



『ルッチいいいーーッ!』

「……?」






『あいらーびゅうううう!!』






「ッ──!!?」





大声の熱烈発言に廊下の海兵も食堂の海兵もみんな何事かと集まってきた。ちょっと気恥ずかしい…でも、愛のためだもんねー!





『好きじゃあああ!愛しちょー!』

「な!……や、やめろバカヤロウ!」

『世界でーっ!いちっばんっ、』














だいすきよ…?

ってなんでこっちに走ってる?しかもすごい形相で。



『カク…君?』

「ヒロインちゃん─……逃げるぞ!」

『え゛ぇっ!?』



そう言うなりカクは私の腕をつかんで逃げ出した。全速力で。

いまのロブ氏、めちゃくちゃ怖いんですけど。足とか既に早すぎて見えてねえんですけど。どんだけロブ氏、モモ上げ得意なの。カクが引っ張ってくれてなかったら、恐らく私は灰になってただろう。



景色なんか見えない、

腹の中身が逆流しそう、

自分の足が浮いてる、




てゆーか








『カクううううう!!!』

「どーしたんじゃ!!」

『靴落としたああああ!!!』

「…はあああああ!!?」

『来た道戻ってえええ!!!』

「ヒロインちゃん、靴と命どっちが大切なんじゃ!!」

『靴うううううう!!!』

「潔い…潔すぎるぞヒロインちゃん!!じゃが命は惜しいからの、その願いばっかりは聞けんのじゃシンデレラ!」





そう言ってカクはスピードを更にあげた。あー…あの靴、ルッチからもらった最初で最後であろうプレゼントなのに。





あの人が人にプレゼントなんて

珍しいんだよ?





【愛の再確認テスト】
問1:コミュニケーション

採点:45点(平均以下)



(王子様はシンデレラの靴を)(拾ってくれたのかしら)




‐‐‐‐‐‐‐‐‐
20090524

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