「ねぇ帰ろうよー」 「うるせぇ」 「いま十手持ってないんだよ?」 「知ってる」 「んじゃ潔く逃げよ?ね、逃げよ?」 「おまえ口閉じろ」 「だって…このドレスレンタルなんだよ!?ちょっとでも汚してみ?貯金パーだよ?パーだよ?」 「………ヒロインちゃん」 「…………なによ」 「………お前バカか?」 「はぁーん!?バカじゃねーよ!!せめてアホって言って!!」 「だぁからうるせぇー!!対して変わらんだろが!!バカもアホも!!」 「変わる!めちゃくちゃ変わる!」 「変わらねぇーだろが!バカもアホもトロもまぬけも…」 「スモーカーうるさい!バレるでしょ」 「…(おめぇが先にがっついたのに)」 今頃二人でパーティーを楽しんでるはずだった。音楽家たちと愉快なシャンパンにダンスの時間……。たとえ海軍代表という名目であっても、やっぱり心は乙女だもん。お洒落してドレス着て未来の旦那候補探はずだったのに……!! 「なんで海賊来ちゃうかなー」 「…やつらもこれがいい機会だと思ってたんだろうよ」 だけど結構名のしれた海賊たちが乱入してパーティーはめちゃくちゃ。相手は能力者らしい。パーティーホールは地下にあったので天井をやられて周りは瓦礫だらけ。そして今はその瓦礫にスモーカーと実を潜めている。聞いてくださいよ、奥さん。この人海賊に立ち向かう気ですよ、素手で。 「せめて十手取りに行こ?」 「………」 「ホテル近いんだし間に合うってば〜!」 「……………」 「………行こ?」 「…(上目遣いすんなバカ)」 「…(いけ!いくんだヘビースモーカー!!)」 「ちっ…行くぞヒロインちゃん」 「よっしゃぁ!!行きますか〜!!」 勝った!!私が勝った!! おおおっし!!逃げるぞ(私は) だってドレス汚せないもん!!スモーカー強いから何とかなるし!!多分。 「そうと決まればさっさと…」 (行きましょう…か……) 「ゲヘぇ〜?まだ生きてる奴居だだがぁ〜?」 しまった見つかった!! …って何このキモい海賊!!口からなんか緑色の液体垂れてる!!キモっ!くさっ!今ゲップしたよこいつ! 「バッ……何見つかってんだよお前!」 「だっ…だって…」 え……うそ!?やだ…足が動かない…もしや…こいつが臭すぎて…?…うそぉーん!!あ、もう…むり…っ足が…しびれ…… 崩れだした私に慌ててスモーカーは腰を抱いた。 「す、もーかぁ」 「…バカやろう」 バカって言うなっつったのに… スモーカーは私の太ももに腕を通した。 「行くぞ姫様!」 「(姫様!?)え、あ、はい!…王子殿?」 言うなり抱き抱えられて、スモーカーは猛スピードでホテルに向かい始めた。 (おおおお姫様だっこ!!!) 「…ちゃんと首つかまってろ」 「……う、うん」 顔が熱いよ… あぁ、 あったかい…スモーカー。相変わらずたばこ臭いけど。でも鍛えてるだけあって胸板厚いし。…男の人…なんだなぁ。…というか… ドクン…ドクン…ドクン… スモーカーの心音すごい聞こえてくる。 ドクン…ドクン…ドクン… ドクン…ドクン…ドクン… …ああ、 ドクン…ドクン…ドクン… ドクン…ドクン…ドクン… 私の心音も混ざった… ドクン…ドクン…ドクン… ドクン…ドクン…ドクン… ああ、 このまま2人でずっと逃げていたいと思う私は、やっぱりバカですか? それはワルツをみたいな三拍子 (…着いたぞ)(あ、ありがとっ)(…さっきの海賊から潰すぞ)(…うん、あいつ臭いから気をつけてね) ‐‐‐‐‐‐‐ 初書き\^Д^/ 文才と国語力ほしい [次へ] |