Eggキット
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魔女と別れた村人達は、王宮中を片っ端から調べていった。
広く、入り組んでいて、捜すのは容易な事ではなかったが、村人達は諦めなかった。
必ずどこかに居るはずだ。
そう信じて、探し続けた。
途中で幾人かの衛兵に出会った。
しかし、大切な人を探す彼等に迷いはなかった。
力仕事で鍛えられた筋力に適うはずもなく、立ちはだかる衛兵は、剣を構える隙もなく、ことごとく打ち破られた。
その事に罪悪感を感じた者も居たが、覚悟は変わらなかった。
王の住まう宮殿に襲い入る彼等に気付き、捕らえようとする兵達が、集まっていく音がする。
村人達は焦った。
ここで捕まっては、何もできない。
しかしその時、背後で爆音が轟いた。
兵達は、一瞬の驚きの後、そちらに向かった。
村人達は何が何だかわからなかったが、一人が呟いた。
魔女だ。きっとあの二人だ。
おそらく、彼女らの言っていた仕事とやらだろう。
何にせよ、助かった。
警備が薄くなった場所を縫うように進んでいった。
探すうちに、おかしな扉を見つけた。
見張りが立てられ、鍵をつけられた部屋。
まるで捕虜を閉じ込めているような。
此処に違いない。
彼等は見張りを倒し、鍵を壊して中に入った。
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