[携帯モード] [URL送信]

Eggキット
全ての終わりに向けて
ここは…?

あの魔女が創った歪みから、人々は乗り込んだ。

着いた場所は、村人には見覚えのない豪華な建物の一角。

魔女がその言葉に応えた。

王宮よ。

さらりと告げられたその言葉に、一同は硬直した。

何だって!?

わかったのなら、私達はあの魔術を行った者達の所へ行くわ。
どうするの?戻るの?

魔女が揶揄するように言う。

行方不明の犯人は、皆わかっていた。

怖じ気づいたなら帰れと、魔女は言うのだ。

しかし

帰らない。戻らない。
私達は、彼らを取り戻したい。

魔女は笑った。

なら、さっさと行きなさい。

そう言って、魔女と使い魔は身を翻した。

村人達は呟いた。

……ありがとう。






駆けていく村人達を横目で見送り、双子はある建物に向き直った。

それは、造りこそ普通ではあったが、何重にも厳重に魔術防御が布かれ、わかる者には驚くほどの強力で堅固な要塞と化していた。

お姉ちゃん。優しいね。
あの人達が危険に合わないように、遠ざけたんでしょ。

違うわよ。これは、私の仕事。
彼等は関係ないわ。

ツンと少女らしく照れてみせ、魔女は建物を見据えた。

違うよ、お姉ちゃん。

使い魔が魔女の手を取った。

私達の仕事だよ。
さぁ、教えてあげよ?お姉ちゃん。

えぇ、身のほど知らずな愚か者どもに、古より彼の地を守りし我等のちからを。

そう言って、二人は同時に笑った。


[*前へ][次へ#]

7/11ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!