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蜘蛛の巣
8



口付けだけでどこか朦朧とした和哉を抱き上げてベッドに上げる。
だが抵抗することもなく、従順に従う和哉の服を剥ぎ取りその肌に指を這わせる。
白く瑞々しい肌はいまだ誰の手も触れたことのない、清らかなものだった。
初めてこの肌に触れるのも、この肌に跡を残すのも、自分が初めてでそして最後だ。
傷ひとつない肌をゆっくりと確かめるように指で辿る。
そしてピンク色の小さな胸を指で弾くと驚いたように和哉の目が開かれた。
「大丈夫だ・・・、お前を傷つけることはしない。 俺を信じているだろ?」
和哉の首筋に鼻を押し付けながらそう言うと頷いた気配がして、そのまままた胸の飾りを指で弄る。
唇で首筋に跡を残し、耳を甘く噛んで舌を這わせると和哉の腰が震えた。
「ふ・・・・、あっ・・・。」
奥手でこういった行為に疎い和哉が怖がらないように優しく蕩けるように触れていく。
誰にもこんな風に触れたことなどなかったと修司は自嘲気味に笑いを漏らした。
誰よりも愛しくて、誰よりも大切なのだ。
和哉が手に入った今、これからは他の誰かに触れることはない。
「しゅ・・・うじ・・・・、俺・・・・、あの・・・。」
「大丈夫だ・・・・、お前が嫌がることはしない。俺が、好きなんだろ?」
上から和哉を見下ろして髪を梳く、それだけで安心したように体の力を抜く
和哉にどうして愛しさを感じずにいられるだろう。
最後に残っていたスラックスを脱がせると恥ずかしそうに顔を隠し身じろぐ
和哉の胸元に何度も唇を落としながら体中を弄った。
修司もまた着ていた服を全て脱ぎ去り、肌と肌を密着させるとその温かさに和哉がほっと息をつく。
「ずっと一緒に居てやる、お前が望むだけ傍に居てやる。 俺はお前だけのものだよ・・・・、お前がそう望むあいだは・・・・。」
和哉の手をとり、自分の口元に運ぶとそのまま指に口付けを落とす。
切なげな息を漏らした和哉の唇をゆっくりと塞ぎ、深い口付けを繰り返した。
「修司・・・、ずっと、ずっと傍に居て・・・。」
大きく上下する胸に唇を落とし、小さな胸の飾りを口に含む。
「やっ・・・・。」
舌でじっくりと味わいながらもう片方の飾りを指で摘むと修司の足に当たる和哉のペニスが濡れているのを感じた。
それに手を伸ばし、ゆるく握って濡らしている雫を全体に塗り込む。
「っ・・・・・。」
恥ずかしいのか声を抑える仕草が余計に修司の雄を刺激する。
指を噛み締めながら耐える姿を、どれだけ見たいと何度思ったか分からない。
啼かせて喘がせて快感に歪む顔を何度も見たいと。
だがそれは和哉の心を手に入れてから。
1人では生きていけないように、寂しいという気持ちを和哉に植え付けてきたのも自分だ。
和哉が修司しか見えないように、他の誰も立ち入れないようにしてきた。
そしてやっと、和哉を手にいれた。
張り巡らされた糸に気づくこともないまま。
和哉の両手両足は、もう自由に1人で動くことはないだろう。
「しゅう・・・じっ・・・、あっ・・・。」
震える和哉のペニスから溢れる雫を味わいながら、固く閉ざされた蕾に指を添える。
一度指を唾液で濡らしてからゆっくりと傷つけないように中に一本だけ入れると和哉の咽喉が引き攣った。
「い・・・やぁ・・・・。」
感じたことのない不快感に和哉の顔が顰められる、だがそれに構わずに指を進めた。
「んんっ・・・。」
少し膨らんだところで指を曲げて押し上げるとびくりと和哉の腰が揺れて、息遣いが荒くなった。
ペニスを口に含んで愛撫しながらそこを集中的に弄ると、どんどん蜜が溢れだしてくる。
「ここ・・・、気持ちいいのか?」
分かっていながらそう訊ね、コクコクと頷く和哉の頬に口付けた。
「やぁっ・・・・! しゅ・・・じっ!」
指を増やしバラバラと中で動かすと堪らないのか泣き出した和哉のペニスを扱き、絶頂へと追い上げる。
「あっ・・・・、ああああああっ・・・・・!」
白濁した蜜腹に吐き出して全身で荒い息をつきながら果てた和哉の体を撫でながら後秘への愛撫を深くした。
「やっ・・・・、あ・・・・・!」
止め処なく襲う快感に追いつけないのか逃げようと後ろに下がる腰を掴み、指を後ろから引き出すと自分の腰を押し当てた。
「和哉・・・・、入れてもいいか・・・?」
硬く張り詰めた怒張を蕾に押し当てて和哉の顔を覗き込む。
緊張しているのか強張った表情で和哉は修司を見上げ、それから黙って頷くと、修司の背中に手を添えた。
我慢の、限界だった。
「あああっ・・・・! やっ・・・・!」
一気に突き立てると抉るように腰を打ちつけ、引いてはまた抉った。
和哉の中は温かく湿っていて、修司の怒張をきつく締め付けている。
「和哉・・・・、分かるか? 今俺がお前の中にいるんだ。」
和哉の手を取り、繋がったところに触れさせる。
「中・・・・に・・・? んっ・・・・。」
「お前の中に俺が今いる・・・・他の誰でもない。俺が、お前の中にいるんだ。俺はこれからもお前の傍に居る。これは、その証だ。」
和哉の頬を何度も撫でて、そう囁くと嬉しそうに和哉は微笑んだ。
それは今まで修司が見たこともないほどに、綺麗な笑みだった。



それから半年後、和哉に辞令がおりた。
転属先は秘書課、和哉は常務付きの秘書として新たな業務につくことになった。




END



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あきゅろす。
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