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不可解な熱
2




皆が帰ったのはそれから3時間も経ってから。

散々たる部屋を見回して加賀谷は深く息を吐いた。

「ったく、冗談じゃねえ。散らかしまくりやがって・・・・。」

グラスを抱えて台所へ持って行き、流し台に置いてから汚れた皿や紙袋を片付けて加賀谷はソファで寝転んでいる諒の傍に座り込んだ。

すやすやと眠る顔にじっと視線をあて、そっと手を伸ばす。

さらりとした肌が少し熱を持っているように熱い。

「ん・・・・・・。」

頬に当てられた手にすり付くように顔を動かし、ゆっくりと瞼が開かれた。

潤んだ目が誘うように加賀谷を見つめる。

「か・・・がやさ・・・?」

酔いがまださめていないのだろう、どこか呂律のまわっていない舌ったらずな声に加賀谷の顔が柔らかさを取り戻す。

そのまま髪を撫でていると諒が重たい身体を起こし、加賀谷の身体に寄りかかってきた。

腕が背中に回され、ぎゅっと力が込められる。

「諒・・・?」

声を掛けると更にぎゅっと抱きついてきて、顔を上げた。

「加賀谷さぁん・・・、大好きぃ・・・。」

あどけなさがまだ残る顔でにっこりと笑い、諒は身体を伸ばして加賀谷の唇に自分の唇を寄せた。

しっとりとした唇の感触に加賀谷はうっとりと浸る。

柔らかくて甘い唇と舌が、加賀谷を痺れさせていく。

「誠人さん・・・、今日ごめんね・・・。僕、あんな風に人といっぱいお話したりしたことないから・・・、嬉しくて・・・・。でも・・・・。」

「・・・でも?」

目を伏せた諒を促すように優しく問いかけると、縋るような目で見上げてきた。

それに込み上げる愛しさを感じて、加賀谷は力強く諒の身体を引き寄せた。

「でも・・・、いっぱい人がいて、楽しいのに。僕、僕早く誠人さんと二人きりになりたかった・・・。なんだか、寂しかったんだ・・・。近くにいるのに、誠人さんが遠くにいるような、そんな気がし寂しくて、皆早く帰ったらいいのにって・・・、罰当たりなこと考えたりして・・・。」

傍にいるのに触れられない距離が寂しかったのだと呟く諒に息が止まるほどの愛おしさが募る。

眩暈がする。

何故こうも自分が欲しい言葉をくれるのだろう。

何故同じ思いを感じるのだろう。

そしてどうして、こんなにも愛しい。

「んっ・・・・・。」

込み上げる衝動のままに深く口付けをすると、甘い吐息が諒の口から漏れる。

そのまま押し倒そうとすると、逆に床に押し倒された。

羽のように軽い諒の身体が加賀谷の上に圧し掛かってくる。

「誠人さん、好き・・・。ほんとに好き、好きで好きで僕・・・。もっと醜くなっちゃいそうで・・・。でもどうしても離れたくない・・・。」

酒のせいなのか目元を赤くしたまま、潤んだ目 で諒は加賀谷の目を見詰めた。

胸をつかまれたように心臓がいったん動きをとめ、再開したときには酷く波打っていた。

上から降ってくる唇に合わせながら諒の背中に腕を回し、服の下から手を侵入させる。

すべすべした肌が吸い付くように手に馴染む。

深くなる口付けに意識を取られていると、ふいに下半身に違和感を感じた。

「りょっ・・・諒!?」

「ん・・・?」

諒の手が加賀谷の着ているズボンのチャックを外し、下着から手を差し込んで中のすでに昂ぶっているものを掴んだ。

「くっ・・・・。」

身体をずらし、加賀谷の猛々しく反りたったものにちゅっとキスを落とし諒はそれを口に含んだ。

「うわっ・・・!諒っ、待て!そんなことしなくていいんだっ。」

「や・・・、したい。」

子供のようにいやいやと首を振り、加賀谷の昂ぶりを躊躇することなく口に銜えて舌を這わせる。

「うっ・・・。」

付け根から割れ目までを丁寧に舌で辿られ、先端を吸われると加賀谷の腰が震えた。

諒の小さな口に己の昂ぶりが飲み込まれていく淫猥な光景に見とれてしまう。






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