不可解な熱
4
しばらくの後、高田と加賀谷が一緒に住み始めた事を田村は知った。
今まで半同棲のような生活をしていた事は知っていたが、高田自身が借りていた
マンションが解約され、加賀谷のマンションに生活の全てをおくとは訳が違う。
この時田村は加賀谷を絞め殺してやりたいとさえ思った。
顔では笑い、高田に頑張れよと言いながら、その眼つきの鋭さに気がついたのは加賀谷くらいのものだろう。
飄々とした田村の雰囲気に騙されないのは加賀谷くらいのものだ。
だが照れくさそうに、幸せそうに笑う高田を見るのも悪くない。
その笑みを浮かばせているのが加賀谷という以外は。
高田の好きな優しい笑顔を見せながら、田村はこれからどう二人の仲を壊していこうかと暗い考えを巡らせていた。
この熱が冷めないのならば、手に入れるだけだ。
終わり
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