恋狂い
6
柊の手が真澄のスーツを時間をかけて剥がしていく。
その手の動きに抵抗する事が出来ない。
殴られた頬が熱を持って真澄の意識を混沌とさせていく。
「嫌・・・・・・、お願い・・・。やめて・・・・・。」
弱々しい声が柊の耳を擽る。
泣きながら懇願する真澄の姿に柊はますます嗜虐心を煽られた。
良いものを手に入れた。
柊は真澄の耳を嬲りながら哂う。
先程は抵抗されて頭に血が上り、殴ってしまった真澄の頬を指で撫でる。
「痛かったか・・・・?だがお前が悪い、俺を拒否したお前が悪いんだ・・・・・。」
真澄の顔を両手で挟んでじっと目を見据える。
その眼の中に情欲の色を見つけて、真澄はぞっと背筋を震わせた。
「僕は・・・、男だ!あんたに抱かれるなんて嫌だっ・・・・・・・。」
肌を弄る柊の手を振り払って逃げようと体を捩ると首を掴まれた。
「ひっ・・・・・・。」
片手で握りこまれて咽喉を圧迫される。
痛みと息苦しさに真澄は目を見開く。
締め付けられ、息の出来ない苦しさに真澄は柊の手を離そうと掻き毟る。
真澄の爪で傷を付けられるのも構わずに柊は手に力を込めた。
「う・・・・・・、あ・・・・・。」
真澄の意識が遠ざかっていく。
このまま死んでしまうと薄れいく意識の中で、真澄は佳代を想う。
自分が居なくなってしまえば、どれほど彼女は傷つくだろう。
「お前に選択肢などない。二度と俺を拒否するなっ!」
酷く怒りを湛えた形相で柊が怒鳴る。
柊が手を離し、まだ触ってもいない真澄の固い蕾に怒張を押し当てる。
突然咽喉を通った空気に真澄は体を震わせながら咳き込んだ。
頭がぼうっとして思考が散漫になる。
ぼやけた視線の先に恐ろしく顔を歪めた柊が映る。
その時、真澄の下半身に激痛が走った。
「あああああああああっ・・・・・!嫌あぁぁぁぁ!」
無理やり押し込められた熱の塊が真澄を引き裂く。
硬く閉ざされていた蕾が軋みを上げて広げられる。
身を引き裂く激痛に真澄の目から大粒の涙がとめどなく零れ落ちる。
「ひぁっ・・・・!痛いっ!抜いてっ・・・・、お願い抜いて・・・!」
泣き叫ぶ真澄の体を抱きこんで柊は腰を進める。
きつい締め付けに柊自身も痛みを感じる。
だがやめてやる気は柊には全く無かった。
「いいか・・・・、これが俺だ・・・・・。覚えろ、俺をこの身で覚えるんだ。」
真澄の流した血が滴り落ちて柊のスーツを汚す。
だがその血で潤滑された蕾に柊は容赦なく自身を埋め込んだ。
「うあ・・・・・、あ・・・・・。」
脳天まで突き抜けるあまりの痛みに、真澄は泣く事しか出来ない。
脂汗が真澄の額を伝い落ちる。
痛みに呻く真澄に柊が囁く。
「その顔だ・・・・・、お前の泣く姿が見たかった。その清純そうな顔が俺に抱かれて穢れる所が俺は見たかったんだ。」
柊は真澄に言っているというよりも自分に呟いていた。
柊の呟きに真澄は愕然とする。
屈辱感が真澄を包み込む。
「俺に跪くお前の姿を想像しただけで、ゾクゾクする・・・・・・・・。」
まるで愛おしいものに対するように、柊が痛みに顔を顰める真澄の額に唇を落とす。
その唇に顔を背けると舌打ちが聞こえた。
「いつまで、その強情が持つか見物だな・・・・・・。」
止めていた動きを突然再開されて、傷ついた後を柊は攻め立てる。
「嫌ぁっ・・・・!い・・・・痛い・・・・・っ。」
柊が動くたびに鋭い痛みが真澄に突き刺さる。
真澄は自分の体がこの男の自己満足の為に蹂躙されている事に堪らなくなる。
男としてのプライドも尊厳も何も無い。
ただ柊が飽きるまでこの体はこれからも辱めらる人形になるしかない。
揺さぶられ柊の劣情を最奥に受けたとき、真澄は現実から逃れるように意識を飛ばした。
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