「…南」
俺は頬杖をついて空を眺めている幼なじみに声をかける。
……はぁ、またか…。
「みーなーみー」
「………」
南は俺の言葉なんか聞かず、頬杖をついたまま動かない。
…全くこいつは……。
「…頑張ったな」
俺はそう言って南の頭を優しく撫でる。
こいつはいつもそうだ。自分の気持ちを相手に素直に伝えられない。
せっかく出来た彼女もそれが理由で別れてしまうんだ。
「お疲れさま」
「…か…ける…」
そう言って俺の顔を見た南はやはり泣いていた。
……南……。
「翔!!オレッ、オレぇっ…」
無意識のうちに俺は南を抱きしめていた。
……俺だったら、泣かせないのに…。
「わかってる。…辛かったな」
もしも俺が南の恋人だったら、必ず南を幸せにするのに。大切にするのに。
なんて、南を強く抱きしめながらそんなことを思う。
「翔ぅ、ありがと…。大好き」
俺の腕から離れて、泣きながらも綺麗に笑った南に心臓が高鳴った。
これはきっと、気のせい。
「俺も大好きだよ。…南」
この大好きは幼なじみとして。
南に対する恋愛感情なんてこれっぽちもない。
そう、信じたい。
いや、信じなくてはいけない。
気づいちゃいけない。
俺の気持ちに。
だって君は、
"ただの幼なじみ"
なんだから。
end.
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「大切なただの幼なじみ」書かせて頂きました。
本当に駄文で申し訳ないです。
ですが、少しでも楽しんで頂けたのなら本望です。
このお題で小説を書かせてくださった梓様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ここまで見てくださった皆様、
お題を出してくださった梓様、
本当にありがとうございました!
*master*マツ
*HP*
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