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侵食*
きっと、この胸をじわりと侵食、支配してゆく感情は色に例えるならまさしく黒
黒燿石のように鋭く光る美しい君の瞳に捕われた



(その高い自尊心を)
ぐちゃぐちゃに壊してやりたいと思った

(君という存在そのものを)
自分の玩具として愛したいと思った

(君が僕のことを考えてくれているならば)
君が僕に抱く感情が憎しみでも構わないと思った

「僕の物になってしまえば楽なのに」

何度そう悪魔の様に囁いたことだろう
それでも君は僕に心を開いてはくれなかった
孤高、    まさに彼にお似合いの言葉である
僕は貴方に縋り着いていくことしかできない。
自分でも滑稽な事くらい理解しているんだ


それから10年の月日はあっと言う間に流れ
今の彼は自分の物なんていう類には分類されない。
言うなれば身体の一部?
いいや、違う。そんな生半可な物ではない
六道骸という人間としての人生の象徴であろうか

大好きです、恭弥

遠くなったり、近くなったり
僕らの関係はずっと曖昧なままなのだろう



鳴り響く銃音、
右手に握るリボルバー、
コマ送りの30秒、
大好きな貴方は僕によって果てた
たった今人生の終焉(ふぃなーれ)を迎え、僕もあと,1秒後にはこの世とはサヨウナラ、である。

雲雀恭弥と同じ位置に立てる、それが何より嬉しかった

こめかみに照準を合わせる、引き金を、

引く




またもや再生されるコマ送り、最愛の人を胸に抱いて

なんて幸せな一時でしょう

君と交わした言葉の数々が甦る


「僕は納豆ってあまり好きになれません」
『嗚呼、外国の人って嫌いな人多いよね』

「アイス食べます?おいしいですよ」
『いらない、骸なら食べてあげても良いけどね』
「クフフ可愛いですねそんなこと言ってると犯しますよ」
『…』


涙が溢れるのは何故?
今までの一番の望みが叶ったと言うのに

じわりと侵食した黒は

黒なんかではなかった
侵食した訳では無かった


黒かったのは僕の方
貴方は透明でただただ空気のように僕の隣に居た、それだけ
侵食したと感じたのは狂気だった


それでも貴方は僕を許してくれるんですね

ひどく滑稽で幼稚で一途な貴方に恋をした

貴方は笑って僕を受け入れてくれた











(壱と零のはざまで、)(僕はやっと本当の恋愛を、)(体験することができたんだ)


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あきゅろす。
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