2(昔っていつのこと?) 「じゃあ、今から行くんでちょっと用意してきますね。」 恭弥さんはここにいて下さい。 そう言うと綱吉は奥の部屋へと消えていった。 「…赤ん坊、あの子をあんな風にしたのは一体誰なの?」 いいかげん教えてくれないかな? 綱吉が消えてすぐ、ソファーへと座った雲雀は、リボーンへと問いかけた。 この言葉を一体何度赤ん坊へと問いかけただろう。 「さぁな。」 その度、返事は決まってそれだった。 まだあの子が中学生だった頃…弱くて、いつもたくさんの仲間を引き連れ群れていた。 それが今はどうだろう。 頼りない草食動物から肉食動物へと姿を変え、ボンゴレファミリーのボスとして、冷徹で残酷なものへと成長を遂げた。 「昔はあんな子じゃなかったのに…」 「昔っていつですか?」 「…っ!!」 雲雀は抱きしめられるように回された手に驚くと同時に、後ろから届いた低く冷たい声に体温が下がっていくのを感じた。 「ワォ、戻ってきてたんだ。気配を消すなんて流石だね。」 冷静を保ちながら、後ろを振り向いた。 そこに居たのは一切感情の見えない無表情な綱吉だった。 「ねぇ、恭弥さん…昔っていつのこと?」 まさか、付き合っていたころなんて言い出さないよね。 綱吉がそう言うと、雲雀は顔を背けた。 「恭弥さん、俺ね、昔の話とか大嫌いなの。もちろん、昔を引きずっている人間も含めて、ね。」 ――― 昔の俺は死んだんだ。 あなたへの想いと共に…。 |