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30(友達)



「どうして、なんでって煩いな。君はさっきから疑問ばかりぶつけてくるんだね」


ねぇ、山本。
君はどんな答えを求めているのかな?
その答えに何か意味はあるの?


「自分の理想や考えを押し付ける前に、まず自分を見直したら?」

山本を思い切り押し倒して、勢いよく剣を突き刺す。剣は顔から数ミリずれた床に刺さった。
山本の顔から血の気がなくなる。


「俺に無能な部下はいらないよ」

「……っ…」


剣を投げ捨て、山本の手をとる。

ゆっくりとその手にキスを落としてにっこりと笑った綱吉はとても綺麗だった。


「もう、俺をがっかりさせないでね…?」

山本は何も言えず唇を強く噛みしめた。

そんな山本を楽しそうに見つめた綱吉は、その体を抱きしめた。


「俺は山本を信頼してるんだから…」

優しい君を偽りの絆で繋いであげる。だから、最後まで俺の為に働いてね。

「山本のこと、大切な友達と今だって思ってる。ただ、もう俺はボスだから…。昔みたいにはいられないんだよ。俺だってすごく辛いんだ。だから…俺のこと、もう裏切らないでね」

「…っ…ツナ、ごめんな。ツナだって辛いんだよな。俺だって、ツナのこと大切だと思ってる」

山本から回される手に応えるように、より強く抱きしめた手に力をいれた。

「山本…!分かってくれて、嬉しいよ。ありがとう」

唇にキス一つ落とした先に見えた山本の笑顔は七年前となに一つ変わってなかった。



―――
君はいつだって友達思いのいい奴だったよね。でも…その優しさがイライラするんだ


あきゅろす。
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