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Happy Birthday


「雲雀さんは、今欲しいものとかないんですか?」

守護者同士の会議も終わり、みんなが部屋を後にする中、俺は左隣にいた雲雀さんを呼び止めた。
俺の質問に、べつにという素っ気ない答えを返した雲雀さんはさっさと席を立ってしまった。

「えー!何か一つくらい思い浮かばないんですかっ?今日は雲雀さんの誕生日なんですよっ!俺からも何かあげたいし…」

俺は必死に腕を掴み、彼をこの場に止まらせた。
今日は雲雀さんの誕生日だから。
何が何でもその答えが知りたい。
どうせあげるなら、雲雀さんの欲しいものをあげて喜んで欲しい。


「…君は本当にくだらないことを考えるのが好きだね。君が僕に、僕の欲しいものをくれるなんて絶対に無理だよ」

「そんなこと」

「ないって言える?」

雲雀さんは俺の腕を振りほどき、もう一度椅子に腰を下ろした。

―ないっていえる?
その言葉にすぐ答えることができなかった。

唇を噛みしめ、何も言うことの出来ない俺に、彼は一つ大きなため息を溢した。


「綱吉。君は一体なにがしたいの。どっちかを選べなんて言わないし、すぐに答えを出せなんて言わない。でも君のその中途半端な態度、行動がどれだけ無神経なものか…君は気付いてる?」

無神経…
その言葉が俺の胸を突き刺した。

雲雀さんの言う通りだ。
雲雀さんの、骸の気持ちも考えずに、自分の思うままに突っ走って…


「僕が君から欲しいものは昔から一つだけ。でも…それはきっと無理だから。だから…綱吉、約束して」

"ずっと僕のそばにいると"


耳元で囁かれた雲雀さんの言葉に、沈んでいた俺の気持ちは一気に浮上した。

あー…もう本当に、この人は、俺をどれだけ甘えさせれば気がすむんだろう。
貴方の言葉でこんなにも幸せになれる。

大好き、大好き、大好きだよ。

ずっと、これから先、俺の側にいていいのは、あなたと…あなたに凄くよく似たあの人だけなんだから。

「……もちろんですっ!」
















「……嘘つき」


…君はやっぱり、無神経だよ。
綱吉。

あの日の約束をこんなに早く破るなんて…。


許さない
許さない
許さない




僕からあの子を奪ったやつも
僕から離れたあの子も

許してなんかあげない。
君の隣は僕のものだ。

これからも、ずっと…








(取り返しに行こう、僕の奪われたモノ全てを)




20080504


あきゅろす。
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