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「で、何をしていたのだ?貴様は。」
机の上に足を組んで座り込んだ朽木さん。
しかし、丈の短いスカートが捲れかけていることに気付いた黒崎がすぐにそれを止めさせ、椅子に座らせた。
なるほど、相当な独占欲だ。
あの後僕は近くの教室に引っ張り込まれ、手厳しい事情聴取を受けている。
「で?」
再び問いかけてくる朽木さん。
そうだ、女性である彼女に聞けばなにか分かるかもしれないと思い立ったが、どうにも言い出しにくい。
視線をずらせば、黒崎が容赦なく僕を睨みつけている。
どうやら僕が彼女と話していることが気に食わないらしい。
「こら、一護。」
朽木さんが軽くオレンジ色の髪を梳くだけで、たちまち眉間の皺が緩む。
…相変わらず単純なやつだ。
これ以上時間をくうわけにもいかないと、僕は口を開く。
「…君たちが来る直前に、井上さんがいて……泣いてたんだ。だから、どうしたのかと思ってね。」
「何!?井上が…貴様は何をしておったのだ?」
「忘れ物を届けようとしていたんだ。」
可愛らしいペンケースを持ち上げれば、中の筆記用具がカチャリ、と音を立てた。
「そうか……ところで、話は変わるが…」
僕を真っ直ぐに見つめる朽木さんが発した言葉は…
「貴様、井上が好きなのか?」
「「は?」」
僕と黒崎の言葉が同時に重なる。
黒崎は唖然として、そうなのか?と聞いてくる。
「………」
沈黙を肯定と受け取ったらしい朽木さんは、ニヤリと笑った。
「よし、決定だ!!」
「な…なにが?」
「今から井上の所に行って、これを届けてこい!!」
「なっ!!?」
「早く行け、石田!」
立ち上がった朽木さんに気圧され、僕は教室を後にした。
「なあ、なんでお前、石田が井上を好きだって分かったんだ?」
一護は、二人きりの教室で、ルキアに疑問をぶつける。
「女の勘だ。…大体、結構バレバレだぞ、石田は。」
それに、と彼女は続ける。
「前に井上から相談を受けてな。…どうも最近石田が気になる、と。」
「へえ。ま、うまくいくといいけどな。」
「勿論だ。」
夕日が辺りを照らす中、二人は走っていく石田を窓から見守った。
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