違った物語も、悪くない。
悪戯(臨也+静雄)
「わー、シズちゃんどうしたのー?」
くすくす笑いを零しながら静雄の周りをちょろちょろする臨也。
「………」
沈黙の静雄。
「あれ?黙っちゃってどうしたの?機能停止した?データパーンしちゃったw?」
相変わらずの憎たらしい顔で笑いこける臨也。
「………」
ひたすら沈黙の静雄。怒れる静雄。
「ねぇ聞いてる?」
反応がないことが不服なのか顔を覗き込んで聞く臨也。
「………」
段々青筋が浮かんできた静雄。
マジでキレる5秒前(古い)な静雄。
「あーあ、がっかりだなぁシズちゃんそれくらいで機能停止とか」
「………なぁ臨也くんよぉ」
やっと口を開いた静雄。
「何?」
ただ純粋に首を傾げる臨也。
「この状況で怒らねぇ奴はこの地球上にいねぇと思うけどなぁああ」
近くにある標識を手繰り手繰り、引き抜く静雄。
「え?なんで」
少し愉快そうに聞き返す臨也。
「だってよ、」
一呼吸置いて、静かに標識を構える静雄。
「出合い頭にいきなりチョコぶっかけられて怒らない奴がいんのか…?」
ゆらぁり、後ろからのオーラが凄まじい静雄。
「出合い頭に頭からチョコレート…、中々面白いねw」
一方心底愉快そうにけたけた笑う臨也。
「っんだそりゃぁぁあ!!」
臨也の頭上に思い切り標識を振り下ろす静雄。
「ぶはッ超残念なシズちゃんにはなかなかお似合いな光景だと思うけどねぇ」
飄々を静雄の攻撃をかわして吹き出し、心底おかしそうに爆笑する臨也。
「いぃいざぁああやぁああ!!!!!!!!!!!」
コンクリートにのめり込んだ標識を引き抜きまた振りかぶる静雄。
「じゃっ、ばいばーいww」
手をひらり、と動かし来た道を一直線に逆走する臨也。
「待てこらぁぁあああ!!!!!」
脱兎の如く逃げ出した臨也をチョコにまみれたままの姿で、血管を浮き上がらせながら追いかける静雄。
池袋の日常。現実の日常。
           -fin-



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