ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!8
「ひぃーばぁーりぃー!!!」
少年は扉を勢いよく開け放ち、中で悠々と椅子に腰掛ける青年に怒鳴りつけた。
「ワオ!そんなに血管浮き上がらせながら近付いて来ないでよ!なんだい?君のレギュラー番組奪ったことを怒ってるのかい?それともこの前君の弁当食べたことを怒ってるのかい?それともツナに抱きついたことを怒ってるのかい?あぁ、あれか!僕の人気を恨んでの怒りかい!?」
その叫びを聞いてその腰掛けた格好のまま、黒髪の青年、雲雀恭弥は思いつく限りの自分の今までの行為を言い並べてみる。
それを聞いてますます怒りを募らせるように雲雀に掴みかかる。
「どれでもねぇがすべて正解だ!!つかてめえツナに何してやがる!?」
「だってあの子良い抱き枕なんだもん☆」
きゃは、という効果音が似合いそうな仕草で綱吉に言葉を返す。
「てめえ殺す!マッハで殺る!」
目を光らせながら雲雀に詰め寄る綱吉。
一方の雲雀は立ち上がる様子も見せず、平然と椅子に腰掛け笑顔を貼り付けたままでいる。
「殺されちゃたまったもんじゃないよ。まだアイドルのトップに立ってないもの」
「安心しろぉ。てめぇは一生トップになんてなれやしねぇよ」
口元を引きつらせながら綱吉は暴言を吐く。
「残念だったな。お前は俺がいる限り2番だ。大体骸と仲わりぃ癖に組むとか頭沸いてんじゃねぇの?お前もとうとう社長に毒されたな。ざまぁみろ」
「うーん、そうかなぁ?君のおじいちゃんも結構やり手だよねー?ツナをこっちによこしてくるとか本当に素晴らしいくらい策略家だよ。全く年とるって怖いねよぇ」
「意味わかんねぇことばっか言ってんじゃねぇよ!」
雲雀がニコニコと作ったような笑みをはっつけながらつらつらと言い続ける。
綱吉は雲雀が腰掛ける椅子の前に並べられた机に手を叩きつけ腹立たしげに雲雀に食って掛かる。
「てめぇはいつもいつも俺の目の前で俺の邪魔ばっかりしやがって………!!」
その悲痛にも聞こえる綱吉の叫びを雲雀は一笑で払いのける。
「ふん、天下のアイドル沢田綱吉も落ちたもんだね。この程度の存在に潰される気?」
憎たらしい笑みを浮かべながら雲雀は綱吉の頭を見つめる。
そして、雲雀はするりと手を伸ばし綱吉の頭に手を乗せる。
「僕は上に行くよ。君を置いていく。ツナだけを連れて、僕は更に上に行く」
「………はっ、っざけてんじゃねぇよ」
何かを振り切ったような笑みを浮かべる綱吉。
「てめぇに置いていかれる?馬鹿じゃねぇの?お前は必死に俺にすがり付こうと、追いつこうとしてるの間違えだろ?先に上に行く?冗談じゃねぇ。上に行くのは俺だ。お前でも骸でもねぇ。ツナを連れて上に行くのはこの俺だ」
異様な程の自信。異質な程の執着。
悟りきった綱吉を見て、あからさまに面白くなさそうに嘆息する雲雀。
「あーぁ、からかい甲斐のない奴」
「はは、褒め言葉」
頭の後ろに手をやって目を閉じてわざとらしく雲雀が言えば嘲笑するような笑みで綱吉が笑う。
「てめぇは俺に敵わねぇんだよ」

「はーいカットでーす!」
ざわざわ、と一気に喧騒が広がる。
「雲雀さん、沢田さんお疲れ様でしたー」
「お疲れ」
「お疲れっす」
笑みを浮かべながら手を振る雲雀。
軽く一礼をする綱吉。
「では、アイドル物語第一弾、”沢田綱吉VS雲雀恭弥”編収録お疲れ様でしたー!」
                -fin-
そんなドラマあったら面白そうだなぁって。笑


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