ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!7
「骸は間に合ったかなー。間に合わなかったら間に合わないで別にかまわないかー。あそこの社長嫌いだし」
くるくると椅子を回しながら誰にいうでもなくそういうプリーモ。
「あれ、じいちゃんあそこのTV局の社長と知り合いでしたっけ?」
ツナが資料に目を通しつつ社長に問いかける。
「あぁ、いけ好かないアイツだろ?アイツとはなんだかんだで知り合いなんだ」
「でも珍しいよね。ヴァリ局から僕たちへのオファーが来るなんて」
「だよなぁ。何か裏があるんじゃないかって疑ってるんだ。俺」
「それを思ってて骸に行かせたんですか?」
「だって骸だもん。それにマネージャーは付けてないんだし構いやしないよ」
「骸には扱いひでぇ!!」

「今日のゲストは六道骸さんです!」
拍手を求めるような仕草で手を胸の前に出して笑うアナウンサー。
シルエットのみだった幕から骸が登場する。
(………ここで大暴れしたら多少は社長も反省するんですかねぇ)
なんてアホみたいなことを頭の隅で考え、それ良いな、と人格的にアレなことも考える骸。
やけにアクセサリーがついた服を身にまとい、凛と胸を張って骸は階段を降りていく。
「ようこそいらっしゃいましたー!」
「お招きありがとうございました」
ニコニコと微笑みながら自分に向けられるカメラを見つめる。
「(社長によるといじられ役でもある)桜紀の六道骸です」
桜紀。六道骸の所属するアイドルユニットの名前である。
「今大人気の桜紀ですが今日は骸さんに来ていただきました!」
「本当は恭弥も連れてこようとしたんですけど恭弥今日は眠いようで。また今度機会があったら連れてきますね」
「はい、ぜひ来てくださいね!では、本日の企画ですがペット全集です!」
「あー僕猫飼いたいので嬉しいですねー」
笑顔の形を作ったままそういえば待ってましたといわんばかりにアナウンサーが言う。
「だと思いまして!可愛い猫をたくさん準備させていただきました!」
その言葉とともにぞろぞろと出される白い箱。
(あれ、この流れ………)
どこかで見たことがあるようなはてなマークのついた箱。明らかに猫じゃない。絶対中身は猫じゃない。
(あぁ今日はいじられないと思ったのに!)
少し口元を引きつらせながら聞いてみる。
「………はてなボックス?」
「正解です!」
凄く良い笑顔で言われた。うるせいやい。
「何でですか?」
「なんでもです」
「いえ何かあるはずです」
「あえて言うのなら社長が」
「よし、社長をここに出しなさい」
「さーとりあえず行ってみますかー!!」
「人の話を聞け!?」
「中身を当てられたらとても可愛い猫が見れます!頑張ってください!」
胸の前で親指を立てて清清しい、いっそ苛立つような笑顔を浮かべてアナウンサーが言う。
「さも人事のように!!」
「いじられアイドルという異名を持つ骸さんなら良いと思いまして!」
「アイドルらしからぬ台詞を吐きますがぶん殴りますよ!?」
「それはアイドルとしてどうなんですか!さー良いから良いからー!やっちゃってください!」
「っ……もうこの番組出ません!」
「えーそりゃ困りますよー」
けらけらと笑うアナウンサー。なんか色々とはめられた気分だ。
しぶしぶながら手を入れてみる。あぁ、なんかもぞもぞしてる。
「………なんのいじめですかこれは」
「いじめじゃないですよ失礼ですね」
「顔が笑ってないですよ。ほら、アナウンサーの基本は笑顔ですよー」
からかうようにしながらも手でボックスの中をまさぐる。
「……………あの、これって人入ってたりします?」
「まぁありえないことではないですねー」
「それ番組的に大丈夫なんですか?」
「視聴率さえ取れれば良いです」
「ぶっちゃけた!!」
「さぁ!答えは!!」
「知りません!」
「正解は辛子明太子!」
「くさっ!!つかちみっこ!!つか勿体な!」
アナウンサーがニコニコ笑いながら皿ごと骸に差し出し、悪魔のような台詞を口にした。

「では外れたので辛子明太子を飼ってくださーい」
「腐るわ!!」
※辛子明太子は、スタッフがおいしくいただきました。
             -fin-


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