ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!3
「今日も売れっ子綱吉くーん働いてくれないかなーっ」
机に伏せるような体勢で白蘭は上司の目の前で堂々とあくびをする(なんたる無礼な)トップアイドル綱吉に語りかける。
そうすればあくびを止めて綱吉はいかにもめんどくさそうに眉を寄せて言い捨てる。
「知るか。自分でやれましまろ」
「うわーアイドルらしからぬ台詞吐きやがった!」
白蘭が机から顔を跳ね上がらせるようにしながら顔を上げれば憎たらしいことこの上ない表情で綱吉は白蘭を見下ろす。
腕を組み、蔑むような目で白蘭を見下ろし口元にはいやらしい笑みを浮かべ目を細めて言う。
「社長さー顔だけは良いんだから自分でやればいいじゃん」
「顔だけって何さ顔だけって」
綱吉の視線に少し気圧されつつも白蘭は気になる点を綱吉に反論として述べる。
「そのまんまの意味だよ」
「相変わらず可愛くないね君」
そうすれば彼は顔色を変えることもなく淡々と返してきて毎日のように彼に言う同じ台詞を白蘭は言う。
全くもって綱吉は可愛くない。
アイドルの綱吉はまだ良い。気に入らないアイドル(最近売れ出した六道骸や雲雀恭弥など)にのみ毒舌を吐きそれ以外のテレビではかわいらしくしていたりかっこよくいようとしていて売れ出しているといるのに一歩事務所に戻ればこのザマだ。
上下関係など考えもせずに本能の、自分の心のまま突っ走る適当なアイドルだ。
きっとほかの事務所にもこれほどまでに適当なアイドルはいないだろう。
だからと言って解雇にするほどのことでもないんだが、地味に白蘭のHPはなくなっていく。
会話を交わすたびに10ずつHPが減っているような錯覚もする。
「良いから、今日はバラエティの収録あるから行ってきてよ」
「やぁーだぁー」
どこかの女子高生みたいに声を高めながらくねくねしてる綱吉。
あぁ、この技は使いたくなかったが仕方がない。
「ツナ君も来るってさ」
「!?」
目の色、いやオーラが変わった。
「ん………だと………?」
「ツナ君が担当のアイドルが雲雀君なんだって。で今回の綱吉君の出るバラエティに雲雀君も出るらしくてね、来るんだって」
「……………正一ィ!!!」
綱吉が一度大きく声を上げる。するといつからいたのか正一がソファに座って綱吉を見ていた。
綱吉を見た後白蘭の視線に気づいたのか補足代わりにメガネを直しながらつぶやく正一。
「最初っからいましたよ。白蘭サン」
「じゃあ働くように説得するの手伝ってよ!!」
「だって綱吉君の説得って疲れるんですもん」
「職務放棄だ!!」
「正一!今すぐ行くぞ!何がなんでも行く!あぁクソあのクソ雲雀のマネージャーがツナだと?ふざけんじゃねぇよあの雲雀が特に気にいらねぇっつのによぉ!」
「うわー綱吉君怖ー………」
「じゃー行ってくるぜ。社長」
「白蘭サン。次はユニちゃんの生放送があるんでそちらの説得もよろしくお願いしますね」
「はいはーい。ていうかボクの事務所どんだけやる気ないの!?みんな仕事しようよ!!」

「よぉー久しぶりだな恭弥ぁー」
「やぁ久しぶりだね綱吉。元気だったかい?まぁ見れば分かるよね」
綱吉が今にも雲雀に襲い掛かる位に青筋を額に浮かべながら雲雀に言う。
当の雲雀はしれっとした雰囲気で綱吉を言動を聞き流す。
「今日はよろしくね綱吉。前回みたいにセットを投げつけたりしないでね?」
「お前が息をするのをやめるんだったら考えてやってもいいぜ」
「やだなぁそれじゃ僕は死んじゃうじゃないか」
「わかんねぇかなぁ。消えろっつってんだろ?」
「どうしたんだい?綱吉。イライラしてるのかい?なんなら煮干食べる?」
「………チッ、てめぇ気にくわねぇ」
「やだなぁ綱吉そんなこと言わないでよー?」
「恭弥ぁてめぇ収録の時は覚悟しろよ?」
「いかに僕らが仲良しなのか証明してあげるねー」
支離滅裂な会話をしつつ衣装を選び着始める綱吉。
「君ってさ、なよなよしてるよね。何その腰の細さ。本当に男?」
「あ?うっせぇな。てめぇも同じようなもんだろ」
適当に会話を交わし着替えを終えて収録場所に向かう綱吉。
「雲雀さーん、綱吉さーん収録入りまーす」
イヤホンを肩にかけた男が雲雀と綱吉の楽屋に入ってくる。
「あぁ、今行くよ」
雲雀も椅子から立ち上がり上着を羽織る。
さて、行こうか。
           -fin-
次回グダグダ収録編。笑


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