ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!12
「参ったなぁ参ったなぁ」
長身の男は机の周りをぐるぐる歩きながらぶつぶつと呟き、椅子にぼすん、と座り込み再び同じ台詞を口にした。
「全く参っちゃうなぁ」
そして大きく、ため息をついた。

プロダクション12

「何が参るんです?僕は今綱吉君の説得を回避するためにはどうすればいいのか考えてるんですから邪魔しないでください」
じっと思案するようにあごに手を添えたまま、目の前でうんうん唸ってる長身の白髪の男に向け言い放つ。
更にそれに言葉を重ねる。
「ていうか参ったって貴方どうせそんな仕事してないでしょ?参ることなんてないじゃないですか」
適当に小首をかしげながら言う青年に向け白髪の男…白蘭はまたもため息をついた。
「ねぇ、ボクってそんなに信用がないの?ちゃんと働いてるんだけど」
頬をかきながら言う。すると入江はわざとらしくため息をついて片眉を上げる。
「どこがですか?放浪人を絵に描いたような自堕落な人間が」
「うわー。しっつれーい…」
容赦なく突きつけられる言葉にがっくりと肩を落とす。
「で?なんですか?何が起きたんです?」
話を戻そうと正一が白蘭の顔をじっと見る。
「ん?あぁ、えっとね。この前ブルーベルが収録だったときあったでしょ?」
「あぁ、作中では一切触れられなかったあれですね」
「作中とか言わない。で、それでブルーベル機嫌悪い上に服装があんなんだったろ?それで視聴者から苦情来たらしくってさ〜参っちゃうよね」
ははは、と軽く笑いながら手をこまねくように言う。
正一もははは、と笑いを零した後思い切り空気を吸い込み叫ぶ。
「アホかあんたはぁ!!!苦情!?それがなんだっていうんですか!グループミルフィオーレの人気が下がったらどうするんです!?」
「ワオ!そんな怒んないでよ!」
「で、これからどうするんです?なんとかしないとCMのオファーも減っちゃうし何より僕の給料が減るのは痛いです」
頭を抱えるようにして唸る正一。
「なんとかしなきゃね〜どうしようっかな。綱吉君かユニちゃんに任せようかな?」
「その辺が無難ですね…そのバラエティ番組にブルーベルと綱吉君、両方出してみてはどうでしょう?」
ぽん、と手を打って正一は白蘭に提案する。
「え?なんで二人を出すの?」
「その方がイメージアップになるでしょう。それにブルーベルの好感度アップにもつながるかも知れませんよ。綱吉君に対する態度で」
「それ完璧綱吉君を使おうとしてるよね」
「綱吉君は使ってなんぼですよ」
ニヤリと正一は笑って人差し指を立てる。
「よく言えるねそんなこと…」
「とりあえず綱吉君とブルーベルには行ってもらいましょう」

「ではー!今週も始まりました”かめかめかめん”今週のゲストは綱吉さんとブルベルさんです!」
歓声と若干のブーイング。
ブルーベルはいつものような薄着(しかし若干のフリルと色があるのでまだ華やかだ)で椅子の上で足をふらふらさせている。
綱吉は至って自然にカメラに目線を向け小さく一礼する。
「えー、先週も来ていただいたブルベルさんですが…」
「ブルーベルは綱吉と遊べるから来ただけだもん…。ブルーベルは白蘭の言うこと聞いただけだもん」
しゅん、としたようにブルーベルが肩を下げる。
すると横からにゅるんと腕が伸びてくる。その手はブルーベルの頭の上に乗る。
「ブルーベルーいつも言ってるだろー?白蘭の言うこと聞いちゃ駄目だって言ってたじゃん。な?大体俺と遊べるからって言うこと聞くなや。お前安すぎるだろ。なんだ、お前の給料は俺と遊ぶことか」
「だっていつも遊んでくれないんだもん。今度プール一緒に行くって言ったのに嘘ついたもん。綱吉のバーカ」
ぐしゃぐしゃとブルーベルの髪(折角セットしたのに台無しである)をかき乱しながら言えばブルーベルはされるがまま頭を揺らして唇を尖らせる。
「だからそれは悪かったっつってんだろ。俺は仕事で忙しいの。今度入江っつー保護者と一緒行くから。な、許せ」
「アイスクリームもつけてくれる?」
「あーうん、買ってやっから。な、いじけるな」
「ぶー。じゃあ指きり!絶対だからね!次嘘ついたらブルーベル怒るからね!」
「はいはい。わあってるから。ちなみに今収録中ってわかってる?」
小指を絡めながら上下に動かして綱吉が首を傾げる。
「わかってるよー。白蘭が言ってたもん」
「じゃブルーベルちゃん。ちゃんとやろうか」
うん?と同意を促す動きを綱吉がする。
「うん。ブルーベルちゃんとやるもん」
にかっと笑顔を見せてブルーベルはカメラに向き直った。
「うし、じゃ亀井アナ。やっちゃって」
「はっはい!えーと、ブルベルさんですが好きなものはなんでしょうか?」
慌てたようにきょどりながら質問をしていくアナウンサー。
「水!それに白蘭!後綱吉!」
きゃいきゃいと無邪気に質問に答えるブルーベル。
不機嫌な姫君のご機嫌直しは収録中にでも。
            -fin-
よく意味のわからないお話です。ブルベルはブルーベルの芸名だとかなんとか。
綱吉とブルーベルは仲良しさんです。


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