ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!11
「そういえば君最近何やってるの?」
雲雀が椅子に腰掛けながら、本をめくって骸に問う。
「最近ですか?えーと、バラエティに出てますね」
雲雀の方を見もせずに、淡々と言葉を返す骸。
すると雲雀は少し顔を上げて意外そうに骸を見る。
「ふーん、君面白い話できるわけ?」
「そりゃあまぁ僕ユーモアありますから」
「は?君頭大丈夫?」
堂々と骸が言えば、雲雀が頭を心底心配するように眉を寄せる。

ボンプロ!11

「そんな心配しないでくださいよ。僕だって面白いときありますよ」
不服そうに頬を膨らませてみれば、雲雀に一蹴される。
「へぇ、下ネタで」
「僕下ネタ嫌いですもん。そんなの地上波に乗せるわけないじゃないですか」
「どの口が言うんだろうね」
「この口です」
いーと口を突き出して指差す骸。
その骸の口を突っぱねて、雲雀が言う。
「僕とコンビ組んでて良いと思うときってあるの?君」
「桜紀ですか?まぁ桜紀がなければ芸能界に入ることもなかったんですし良いと思いますよ」
ふふ、と過去を思い出すように笑う骸。
雲雀はそれを聞いて目を閉じて、本も閉じる。
「へぇ、良いと思うんだ」
「ならば聞きますが君は良いと思わないんですか?」
骸がくすくすと笑いながらそう聞けば悩む様子も見せず、少しもためらいを見せずに答える。
「利用するために組んでるからね」
「君は自分の思いに忠実ですねぇ。少しは躊躇いなさい?」
「綱吉と話をしたんだよ」
目を開けて、骸を視界に入れて思い出すように話し始める。
「僕はその時彼に言ったんだ。”先に上へ行く”ってね。なら僕はどんな手段を使ってでも上に行く。君もそれは同じ気持ちだろう?」
鳩が豆鉄砲を食らったように目を点にして雲雀を見る骸。
「おや、知ってましたか。僕も綱吉君と話していたこと」
「まぁね。僕らグループボンゴレの桜紀はグループミルフィオーレを超えて行かないといけないんだ。そのためなら僕は君をも利用するけど、それは君も同じだろ?僕を使って上に行こうとしてるんだろ?なら構わない。綱吉に勝てるのなら、それも良いと思うよ僕は」
すらすらと息継ぎもせずに言い放てば、骸が声を押し殺して笑う。
「クフフ、貴方のその勝負に対する純粋さ、綱吉君への異常なまでの執着心、嫌いではありませんよ。僕も綱吉君には勝ちたいと思いますし」
手を組みながら微笑む骸に対し、雲雀は目を細めて骸に向けて微笑みかける。
「なら、これからも手を組もう。だけど僕は君をも置いていくつもりだから。それは忘れないでよ?」
「勿論ですよ。貴方にも負けるつもりなんて鼻からありません」
骸は不敵に笑い、雲雀は本にまた熱中し始める。
「骸さーん、雲雀さん!これから”みゅーじっく!”の収録に行きますよー。準備してくださーい」
「おや、ツナ君。今日もいつもと変わらずかわいらしいですね」
「それよりツナ。僕のことは恭弥で良いって言ってるでしょ」
雲雀と骸を呼びに来た亜麻色の髪の青年を口説く骸と雲雀。
困ったように笑うツナを横目に、骸と雲雀はツナを挟むようにして並び笑う。
---仲間だろうがなんだろうが、ライバルはライバルでしかない。

「お疲れ様…って言いたいところなんだけどさ、俺、マネージャーなのになんでドラマに出ないとなの?」
不服そうにツナが唇を尖らせて骸に飲み物を差し出す。
それを受け取りニコニコと微笑みながら封を開けて口をつける骸。
「そうですよね。君の可愛らしい姿を他の人に見せるのはいやなんですがだからと言って入江を口説く気にはなれないんで仕方がないんですよ」
「いや最初から俺を口説こうとしないでよ骸…」
変な理由を並べれば、困ったようにツナがため息をつく。
「ツナ、僕喉が渇いたんだけど何かある?」
「あ、雲雀さんお疲れ様です。ありますよ」
雲雀も飲み物を要求すればツナがさっと手際よく差し出す。
「ではーアイドル物語第三弾”雲雀恭弥VS六道骸”編終了です!お疲れ様でした!」
ツナが笑顔で二人に労いの言葉を言う。
それを聞いて満足そうに骸と雲雀は微笑んだ。
              -fin-
そんなドラマ(ry


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