ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!10
「いーやーだー!!ぜぇーったいイヤー!!!!!」
あぁ、全く参ったものだ。
どうしてボクの会社の従業員はこうも仕事を拒むんだろう。

ボンプロ!10

最初に説明しよう。
ボクは”グループミルフィオーレ”創始者の白蘭。
”グループミルフィオーレ”は今をときめくアイドル、歌手、モデルをたくさん世に出してきた創始者自身が言うのもアレだが人気はある。
もう一度言おう。
人気はある。
だが、社員が問題なんだろうと。急に収録からいなくなるモデルや生出演を拒む歌手や幼女にべったりの歌手や弟大好きな鬼畜アイドルとか。
アイドルだけが問題じゃない。社員全員が問題だろう。
マネージャーは鼻から仕事をする気を見せない上、本来ならアイドルの説得もマネージャーの仕事のはずだ。
どうして社長のボクが説得をしなければならないんだろう。
ボクは今やらなければならない仕事がある。
例えば、テレビ局との番組の交渉や他グループとの談話なんか色々ある。
はっきり言って暇じゃない。
そして今、ボクはアイドルの説得をしている。
可笑しな話だがここのアイドルは仕事を拒む。何かいやなことがあって拒むのではない。
とりあえず、で拒むのだ。面倒だ、と拒むのだ。つまり拒むのに意味はない。
今回来たオファーはグループミルフィオーレのアイドル、ブルーベルのバラエティー番組出演だ。
番組は簡単なものでブルーベルの好きなものや好きなことを詳しく話すだけだ。特にそんな問題はない。
服だって薄着でも構わないと了承は得ている(よく苦情が来るのに了承してくれたものだ)。そんな悪い物件ではないと思うのだが。
「イヤー!!絶対イヤ!!出ないもん!ブルーベルはそんな番組出ないもん!!」
冒頭に戻ろう。全く、何がそんなにイヤなのだろう。
「ブルーベル、ちょっと聞くけどさ。何がイヤでそんなに拒むの?」
「ブルーベル、人前嫌いだもん!!」
なんでアイドルをやってるんだろう。この子は。
純粋な疑問が浮かぶけど今はそれも無視だ。番組に出てもらわないと困る。
「収録は何時だと思う?」
「今日の3時」
即答。ここまでは良い。
「よく分かってるね。じゃあ今は何時かな?」
「えー何時ー?びゃくらんー」
目の前に時計があるのにもかかわらず白々しく口笛を吹くようにしながら何時かと問うブルーベル。
「わざとでしょ?ブルーベル。今は1時だよ。もうそろそろ行かないとだよね?」
「だってブルーベル出ないから良いもん」
ぶーと唇を突き出す仕草をしながら白蘭を睨むブルーベル。
白蘭はそれを苦笑いしながら見つめてため息をついてから言う。
「君、アイドルでしょ?働きなよ」
「ぶー!びゃくらんのばかー!」
「君に言われたくないかな♪ほら、収録に行かないと怒るよ?」
「む………」
そろそろまじめに怒ろうかと笑顔を固まらせて言えばブルーベルが口をつむぐ。
「むー…やだもん、行かないもん。びゃくらんなんか嫌いだもん………」
「収録に言ったら綱吉君で遊ばせてあげるから」
「むぐっ……………」
ブルーベルの弱いところを紹介しよう。
ひとつは水だ。泳いで良いと言うと凄く喜ぶ。天変地異が起きても良いくらい喜ぶ。
もうひとつは綱吉だ。ボクのグループの人気アイドル綱吉と遊ぶのが水の次に大好きだ。
「ね?ほら、良いだろう?最近忙しい綱吉君と遊べるんだよ?お得じゃない?」
「…………………わかった…」
しゅんとしながら返事をするブルーベル。
内心ガッツポーズをかましながら白蘭は笑う。
「うん♪じゃあ行ってらっしゃい」
手を振りブルーベルを見送る。
ブルーベルは相変わらず布一枚の服装で部屋を出る。
「………さて、じゃあ綱吉君に遊んでもらうための交渉をしないとね。後はCMとドラマのオファーの整理でもしようかな」
白蘭はそう呟いてパソコンを立ち上げる。
基本的に社長だって忙しいんだ。アイドルもモデルも俳優も社長も忙しいんだ。

「ぶ、びゃくらんのばかー。つなよしと遊べなかったらもうやめちゃうもん」
そんな重大なことを口にしながらブルーベルは廊下を歩く。
裸足のまま楽屋に入る。手早く着替えて(といってもやはり似たような薄着なのだが)スタジオに行く。
アイドルだって、不平不満は大量にある。
              -fin-
次が収録になるかは未定。ただ単に白蘭とブルーベルが書きたかっただけなんです。



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