ボンゴレプロダクション!
ボンゴレプロダクション!9
「おやおやこれはこれは綱吉君!一体そんな危険なものを振りかぶってどうしたというんですか?」
大袈裟に骸は手を広げて目の前で小柄な体に似合わない大きなカメラの資材のパイプを振り上げる少年に笑いかける。
「恭弥といい骸といいなんでお前らは俺のイラつくポイントを押さえてるんだ!!」
笑いかけられた少年は苛つきを隠す様子もなく舌打ちをしながら叫ぶ。
「なんでと言われましても…あえて言うなら君のイラつくポイントを押さえようとしてるからじゃないですかね?」
てへ☆と言う効果音がつきそうな勢いでウインクをしながら笑う骸。
この場にファンがいればきっと喜ぶであろう仕草だが、綱吉にとってはただのイライラの原因でしかない。
「くっそこのナッポォォー!!!!!!」
思い切りパイプを振り下ろしてみればど派手な音と共に土煙が舞う。
その振り下ろされた先には骸は存在せず軽やかな動きでくるくる回りながら綱吉に言う。
「スタジオ壊さないでくださいよ〜一体誰が弁償すると思ってるんです?」
「主に社長だ。てめぇには関係ねぇだろ」
「社長泣かせ〜」
からかうようにしてみれば綱吉が鼻を鳴らしながら、
「社長はあぁ見えて超がつくドMだから問題ねぇ」
そう社長の尊厳が失われる一言を口にした。

「綱吉君、その発言はどうなんでしょうか?」
「いや、だって俺自他共に認める超がつくドSだから問題ないんじゃね?うん、問題はねぇ」
けろりとした表情で言う綱吉。
「いやアイドルとして問題がありますよ!ていうか貴方自分がアイドルだって言う自覚あります!?」
「あるわけねぇだろ。つか俺はいつも俺のやりてぇように進む」
骸は少し呆れるように目を伏せる。
「…僕は社長が哀れでなりませんよ」
「いや多分すべて社長が望んでるんじゃね?だって白蘭だし」
「理由可笑しい!」
思わずツッコミにまわる骸。
「大体さ、お前と言い雲雀と言いお前らはなんだ?俺に恨みでもあんの?」
「いえ?特にこれといったことはありませんけども?」
けろりと綱吉の顔を見ながら言う骸。
綱吉が大きく聞こえるように舌打ちをする。
「ちょっとそんなあからさまにイラつかないでくださいよ」
「いやこれが人間として当然の行動だと思う。いや絶対そう」
「いやね、周りの人全員が君と同じと思わない方が身のためですよ!!」
「桜紀だって今軌道に乗ってんだろ?俺にかまってる暇なんてないんじゃね?」
綱吉がパイプを手から離す。首を傾げながら言う姿は何処となく色気が漂っているがパイプの転がる音がその色気をかき消す。
「いえ、そんなこともありませんよ。僕と恭弥は結構バラバラで活動してますし。ちゃんと人気もありますしそれより君も良いんですか?こんな所で僕と話していて。ぶっちゃけ仕事ないんですか?」
「阿呆。あるわ。お前俺を誰だと思ってんだよ」
腕組みをしながら鼻を鳴らす綱吉。
平然と、返す骸。
「最近人気が落ちてきてちょっと不安だけどそれを表沙汰に出来ない綱吉」
「お前ぶっ飛ばすぞ。人気落ちてきてなんかねぇよ。うなぎ上りじゃあほんだら」
冷たい視線で骸を睨む綱吉。身長的に睨むというより見上げるの表現のような感じがするのだが視線的にそれは考えられない。
「君、今はそうかも知れませんがいずれ落ちが来ますよ?大丈夫なんですか?」
クスクスと意地の悪い笑みを浮かべる骸。
綱吉は骸を見上げたまま目だけを細める。
「ふん、お前が心配してんじゃねぇよ。自分の心配でもしてろ」
鼻で笑う綱吉。骸が少しだけ首をかしげる。
「お前だって何時どうなるかわかんねぇだろ。心配なんかされたくないね」
手を広げてそういう綱吉。そしてくるりと踵を返す。
「ま、俺がトップに立つまで精々頑張ってよ。骸」
「それはこっちの台詞ですね。精々芸能界の波に呑まれないよう善処してください」
骸もにこやかに笑い、手を振る。
綱吉は骸のすべての言葉を聞き終える前に部屋から出て、バタンと乱暴に扉を閉じる。

「………波に呑まれる…ね」
骸からの言葉をもう一度反復する。
一方そのころ骸はまた綱吉のいなくなった部屋で一人呟いていた。
「まぁ波に呑まれるというより彼が呑み込むほうなんでしょうけどね」
そう楽しそうに骸が笑った。

「お疲れ様でした!アイドル物語第二弾、”沢田綱吉VS六道骸”編収録終了です!」
「つーかさぁ、これ何時まで続くの?」
純粋な綱吉の疑問。
「あ、これ色々な人との組合わせでやるみたいですよ〜」
いつからいたのか横に急に現れ言う骸。
「ぅおッ!!骸!いたのか!」
「共演者に酷いですね君は」
呆れるようにしながら骸はあまり怒った様子も見せずに笑ってみせた。
        -fin-
そんなドラマ(ry



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