猥談。
Side A
それは何がきっかけだったか、突然始まった話題だった。
「そりゃ、肌は白い方が興奮するよな。」
「水着の日焼け後とかな。」
用意されたお弁当を皆で食べながら、する会話でもないと思いつつ、始まった会話にストッパーは無い。
「水着っつったら、やっぱおっぱいはデカイ方がいいよな。」
「バランスだろ。大き過ぎても俺はヤダ。」
「この間海ロケ行ったらさ、既にちょっと日焼けしたコが居て、」
「あー、アレだろ!俺も思った。」
アキラとアツシが、海ロケで出会った水着ギャルの話をしだした。
「多分もう一着水着持ってんだろうね、その時に来てた水着よりも覆ってる部分が大きかったのか、明らかに水着からはみ出た部分が白くてさ。」
「アレ、目が釘付けだったよな。」
ニヤニヤ笑いながらアキラが鞄からおにぎりを出して食べだした。
「でもそれ最初に見つけて俺らに教えてくれたの、ナツ君だったよね。」
アツシが俺の顔を伺いながら話した。
「俺らに、あの日焼けエロいよなって笑ってた。」
そりゃ、ヤマナツだって普通に男だしな。
「ヤマナツは、普通に女の子の裸とか好きだぞ?」
この間置きっぱなしにしてたエロDVD見てたし、雑誌のグラビアとかも水着の女の子とかガン見してるし。
「ただ、やっぱ女の子に対してフェミニストな部分はあるような気がする。」
「へ?そうなのか?」
オオサワ君がお茶を飲みながら意外そうな顔をしてた。
「あいつん家、父子家庭だろ?でもって男子校の上に男ばっかの7人グループ。マネージャーも男。」
そこまで話すと、ヒロユキが吹き出した。
「確かに、男だらけだな。」
「でも、初体験は異様に早いじゃん?」
アキラが身を乗り出して俺に言った。
そう、ヤマナツの初体験は中学2年の時。
「普通にコンパとかもして女の子とセックスしてたって、言ってたよ?」
アツシが本人に聞いたのか、ヤマナツの性事情を話しだした。
「セックス経験済みでも、どんなセックスしてるかなんて分からないだろ?」
オオサワ君がアキラとアツシに向かって意味深な事を言った。
「女の子に対して理想みたいなのは持ってるだろうな。」
ウツミ君が頷きながら空になった弁当箱を片付けた。
「女性共演者とかに紳士的な部分とか、あるよな。」
「育ちが良いんだろうな。」
ヒロユキとオオサワ君も続けて言った。
確かに女性に対しての扱いが丁寧だとは思った。
「山本、……女子高ドラマの撮影の時、」
楽屋の隅で、まるで俺らの会話なんか聞いてないような風で書類に目を通してたオダッチがいきなり参戦。
「女の子っていい匂いがするんですね〜、なんて言ってたぞ?」
その言葉に俺達6人は一斉に吹き出して笑った。
「どんだけ!?」
「お花ちゃん過ぎだろ!」
それぞれに、この場には居ないヤマナツにツッコミを入れる。
「その発言のおかげで、あの現場では山本は不思議君扱いだった。」
皆が腹を抱えて笑ってる。
「ヤマナツがちゃんと女の子とセックスできるのか、凄い興味湧くな。」
おいおいオオサワ兄さん、そんなもんに興味湧かせんなよ。
「てゆうか、どんな風に女の子抱くのかな。」
アツシ、それはお前だって同じようなキャラだろうが。
「てゆうか、ナツ君ってどんなチン○ンしてんだろうね。」
どんなって知りたいのかよ、アキラ。
って、何で皆が俺を見てるんだ。
「………普通だろ、多分。」
形とかは一般的な男のソレ。
「あいつの部屋に、使いかけのゴムあったし…普通に女の子とエッチ位してただろ。」
使用期限はギリギリでもう捨てたけど。
「結構、ヤマナツのアレは男らしいぞ?」
すぐに硬くなるし、射精の勢いも良い。
頭の中で愛しいヤマナツの身体を思い浮かべる。
「可愛らしいし。」
ん、俺…今なんかヤバイ事言ったかも。
「男らしくて、可愛らしい……ねぇ。」
溜め息をついたヒロユキが呆れたように言葉を漏らすと、皆が俺を痛いコを見るような目で一瞥。
「おはようございまーす。」
楽屋のドアを開けて入って来たヤマナツが、皆に挨拶した。
白地に青いハイビスカスの線絵の模様のシャツに薄い色のハーフデニム。手に持った帆布のトートにオレンジ色のハイグレベアがぶらさがってた。
「はよーっす!」
皆がそれぞれにヤマナツに挨拶を返す。
ただ、その目線がヤマナツの下半身へと注がれている事に、ヤマナツ本人は気付いていない……。
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このトークが原因で、ヤマナツはアキラとアツシに悪戯されてしまいます。
近いうちにそのお話もアップしますね。
2011.10.02
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