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君に捧ぐ
19




「流唯、そのままでいてね。」


なんだその慈愛に満ちた目は。
とりあえず頷き再びご飯を口に入れる。

すると、満足したようで東吾もおかずに視線を戻し食事を再開した。







あれ?


「あ、お返しの事だけど…たまにで良いから親衛隊の皆と交流会して欲しいかなー。」


良かった、思い出してくれた。

俺のさっきの疑問は忘れられたのかと思った。
いや、ちょっと忘れられてたけど。
俺もちょっと忘れてたけど。


「分かった。」


頷き今度こそ目の前のご馳走に集中した。



―――――



「流唯、次どーぞ。」

「ん。」


東吾が髪を荒々しく拭きながら歩いてくる。
家事が出来ない俺は東吾に少しでも恩返しを、と皿洗いだけは人並みになるまで頑張った。

でもまだ少し時間がかかるので先に東吾が風呂に入る。
時間の有効活用ってやつだ。


俺はエプロンを外し、着替えを持ちに自室へ向かった。

デザートは風呂上がりだとおあずけになったので速攻で風呂から出る予定。


「流唯、デザートはちゃんと待ってるからねー?」

「…ん。」






東吾にはお見通しのようだ。





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