君に捧ぐ
14
―――――
「…って感じ。」
「まさかクラスまとめて総受けとはっ…!!」
なんかぷるぷるしてる怖い人がいる。
クラスメートが過保護な事は言うべきじゃなかったのかもしれない。
「確かに五十嵐と東雲からの目が恐ろしかったな。」
それは会長が迎えに来てくれた時の事だろうか。
まぁ若干東吾達の目つきが鋭かった気がしないでも無い。
それだけ心配してくれてるんだなぁ、と妙に感動したので今度お礼でも言っておこうと思う。
「あの不良ズまで!?……美味しい。美味しすぎるよ流唯クン…っ!!!会長がヘタレに出るか俺様に出るかだねっ!ねっ!!?」
「そういえば、まだ陽輝(ハルキ)が来てねぇな。」
「あぁ。もうそろそろ来るはずだよ。」
素晴らしい程のスルースキル。
「陽輝クンがソコに参戦したら絶対可哀想な役回りになるよなぁ…。でもそこを一緒にフられた不良ズの誰かとどうにかなっちゃったりとかしていやでm…(ry」
お互いスルーするのもされるのも慣れている様で構わず続けられる会話。
1人は一方的に喋ってるだけだけど。
いやでも千隼がちゃんと聞いているようだ。
頷きも相槌もしないが目はしっかり蒼空を見ている。
―ガチャ
「只今戻りましたー。」
「陽輝クンんんんんんん!!!」
「お、蒼空どうした?」
駆け寄った蒼空を受け止めたこの無駄にきらきらしてる人は誰だ。
少なくとも俺の知り合いにはこんなに万人から受け入れられそうな人はいない。
「流唯クン、この人が雑用係の朝比奈(アサヒナ) 陽輝クンだよっ。」
「君があの流唯?俺は2年の陽輝。よろしく。雑用係っつーのは要するに庶務な。」
「ちなみに僕は書記ねっ!」
「流唯です。よろしくお願いします。」
ペコリと頭を下げると近寄ってきた陽輝先輩に頭をがしがし撫でられた。
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