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君に捧ぐ
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「とりあえずお前はその赤いモンを拭け。」


呆れた声でこの体制のまま話す会長と無言でティッシュを差し出す千隼。


なんという連携プレー。


「で、なんでゆーきクンと知り合いなの!?」


大人しく拭いたと思ったらそのままダッシュで向かってくる蒼空。

え、ちょ、血が…!
まだ血が若干付いてる!!


「千隼…って呼んでいいよね。千隼、ティッシュ1枚ちょうだい。」


コクリと頷き差し出してくる千隼にお礼を言って蒼空の顔を綺麗に拭ってやる。

拭き終わったティッシュは蒼空の手で握らせた。


「おっけかな。で、何だっけ。」

「「……………」」

「え、あれ?」


何故か全員黙ってしまった。
何かマズい事でもしただろうか。


皆に凝視され、いたたまれなくなり会長の腕に顔をうずめた。途端に強くなる腕の力。


「コイツはやらねぇ。」

「もうお腹一杯ですっ☆」




蒼空の笑顔が眩しい。





とりあえず座ろうと言った悠稀先輩のお言葉に甘え、フカフカのソファーに腰掛ける。


「えっと、僕達の関係を知りたいって事だよね?」

「何その言い方フラグktkr」


何故か仏頂面になった会長といたずらっ子の様な笑みを浮かべた悠稀先輩の間に挟まれ向かいには千隼と蒼空。

俺は只今悠稀先輩の淹れた紅茶を堪能中だ。


「んー、とりあえず初めて会った所から教えようか。」


大袈裟なくらい首を縦に振る蒼空を見て関節が外れないかと心配になった。


「そうだなぁ…、初対面は入学式からそんなに経ってない頃だよね。」


思い出すように首を傾げた悠稀先輩の言葉に頷き俺もあの時の事を回想した。






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