君に捧ぐ
9
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生徒会室までの道のり程時間が長く感じた事は無かった。
理由は簡単だ。
会長様と歩いているからだ。
あの容姿は嫌でも目立ち周りから目を向けられる。
そしてその視線は必然的に会長が引き連れている俺にも向くワケで。
そこまで目を惹く様な容姿では無いと自覚しているのであからさまな視線になんて慣れていない。
正直会長と歩くのはとても居心地が悪く、疲れる。
だって明らかに人々の目が誰だコイツ、と言っている。
俺も聞きたい。
俺はなんでこんな事所でこんな目に遭っているんだ。
「着いたぞ。…どうした?」
「いえ、…会長も大変ですね。」
「…あ?」
良く分かって無いっぽいな。
この視線をものともしないなんて流石です会長。
気を取り直してドアを開けた会長に続いて生徒会室中に入った。
「おー、その子が会長のお気に入り?」
「?」
「むっ美人無口受けっ!!いや、天然系総受け!?」
「??」
「とりあえず猫(ネコ)だね…。っ良いね。どんなヤツを連れてくるかと思ったら予想以上の子だね…。とりあえずGJ。」
「???」
「蒼空(ソラ)。」
ペラペラと喋っている美少年を黙らせる会長。
よく分からないけど蒼空って人は俺を見て目を輝かしているからまぁ嫌われてはいないんだろう。
「いやー、いきなりごめんねーっ。流唯クンだよね?和泉(イズミ) 蒼空です!僕の事は気にしないで青春を謳歌してねっ!これからよろしくっ。」
「千隼。」
「…ん?あ、どうも。」
一瞬何を言われたのか分からなかった。
最後に「です」位言えば考える事無く通じるのに。
ピンク頭のちょんまげは蒼空、茶髪は千隼ね。
「2人は流唯と同じ1年生だよ。」
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