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君に捧ぐ
8



「会長が流唯にでこチューしたんだよ。」

「は?チューだと!?」


律のチューはキモい。
紘のは可愛い。


というかなんで皆立ち上がってんの。
どうしたの。
なんでザワザワしてんの。
どうしたの。(混乱中)


「皆落ち着いてー。流唯には2度とこういう事が無いよーにキッチリお灸を据えとくからねー。」



背筋が凍ったのは言うまでもない。



―――――



なんで俺が説教されなきゃいけないんだ。
どっちかっていうと俺が被害者な気がするんだけど。

大体なんでそういう時に限って午後の授業全部自習なんだ。
ここの教師は何してんだ。


午後の授業全てを東吾の説教に費やされ俺は少し(どころか凄い)やつれていた。

いつも6時間目はサボるのに今日は出来なかった。
間休みに誰もお菓子くれなかったし。


「…ぃ。」


東吾なんて知らない。
帰ったら不貞寝してやる。
何か忘れてる気がするけどとりあえず寝てやる。
あと周りが煩い気がするけどそれはどうでもいいや。


「流唯。」

「ぅわっ!!」


後ろからいきなり衝撃を受けつんのめる。
咄嗟に手を付いたので流石に頭を机にぶつける事は無かったけど。


「大丈夫か。」

「…あい。」


どこか笑いを含んだ声に若干の不満を持ちながら答えた。

付いてこいとさっさと背を向け歩き出す会長の後を急いで追った。



―あぁ、忘れるとこだった。


「皆またな。」


俺は振り返り笑みを浮かべながら、手を軽く振った。

そのまま立ち止まってこちらの様子を伺っていた会長に行きましょうと声をかけた。



「…お前、結構恐ろしいヤツだな。」

「は?」



教室を出て行った後クラスメート全員が顔を真っ赤にした事を俺は知らない。






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