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君に捧ぐ
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†?? side



遠くで鐘の鳴る音が聞こえる。

―予鈴か。


後少しで昼休みが終わってしまう。



今聞こえる音と言えば緑を揺らす風の音のみ。


今日は誰にも見られず静かな所で過ごしたかった。
そういう気分だったのだ。


なのに、やっと良い場所を見つけたと思ったらもう昼休みは終わる。

普段はどうと思わない自分の境遇に溜め息を吐いた。




今いる場所は裏庭だ。
誰にも手を付けられず雑草は延び放題だが、所々にイスやらテーブルが置いてある。
以前は良く使われていたのだろうか。




改めて辺りを見渡すとある1つのイスの周りだけ綺麗に整地された部分があった。

そこには横たわる人影が。


「おい。もうとっくに予鈴は鳴ってるぞ。教室に戻れ。」


そう呼び掛けるもその男は微動だにしない。


―寝てんのか。


踵を返し見なかった事にも出来たが、生徒会長の肩書きがそれの邪魔をした。

若干眉を寄せながらそいつに近づいていく。


立ち止まり、背を向けている相手を起こそうと手を伸ばした瞬間。




「ん…。」

「っ!!」


そいつは気配を感じ取ったのか寝返りを打ち微かに目を開いた。






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