GS:人気者の悩み事


ジェネシス×セフィロス


ジェネシスから俺を誘っておいて自分だけ優雅に紅茶を飲んでいる。なにやら悩み事があるとか言うのでこれでも友人、俺に相談をもちかけるのは些か的外れではあるとも思うのだが断る事もできなかった。ジェネシスと机を挟んで反対側にあるソファに腰掛けると漸く紅茶が半分ほどになったカップをソーサーへと置いた。表情はあまり変わりないがそれでも大分悩んでいるようだ。


「それで、悩みとは何だ」
「多分、セフィロスなら解ってくれると思うんだけどね…バレンタインのチョコ、どうした?」
「……は?」


何を言い出すかと思えばそんなことか。呆れ混じりの溜め息が自然と漏れた。そんな俺をみたジェネシスは憂鬱気に顔をある方向へ向ける。それに従い己の視線もそちらへ向けると、大きなのダンボール箱が2つ。…チョコレートか。ジェネシスは甘い物が嫌いと言うわけではないが、食事の量が多いわけでもない。確かに一人で食べるのは辛いだろう。しかしだな、これを普通の奴に言えば妬まれるのだが…。


「…俺は今年ダンボール箱3つだったぞ」
「さすがセフィロス。食べたの?」
「誰が食うか。数個は食ったが、あとはザックスとか…菓子が好きな奴に渡した」


そうなのだ。だからジェネシスの話が解らなくもない。が、俺が話している途中にジェネシスは何か別な考えに集中し始めてしまった。なんとなく沈黙が続き、不快ではないそれに適当に身を任せているとジェネシスが口を開いた。


「いいな、セフィロスが食べたチョコをあげた子。貰ってもらえたんだから羨ましいよ」
「迷惑なだけだがな」
「…俺があげたら食べてくれる?」
「………」


そうか、こいつ俺のファンだった…のか…。俺に憧れてソルジャーになったとか、前に沢山聞かされたから憶えている。別にジェネシスのことが嫌いなわけではないし、偶に感情的になって無遠慮に叫ぶ奴が人間らしくて、いつも冷めた感情しか持てない俺は羨ましく思えるほどだった。鬱陶しい存在でもない。だから、ジェネシスから貰う物くらいは受け取っても構わないと思った。


「……あるなら頂くが」
「なら、これ」
「デカイな」
「気合入れて作ったらこんなになってた。セフィロスへの気持ちと比例してしまったと思ってくれればいいよ」


お前は恋する乙女か!と突っ込みを入れたくなった。普通の女から渡された物よりも一回り以上は大きい。本気で覚悟を決めて食さねばいけないようだ。そこで一段落つくと、あらためてジェネシスは あのチョコどうしよう と話を振り出しに戻してきた。スラムの子供にプレゼントしてやれ、と言った俺の言葉は思った以上に疲れているようだった。


*****
ジェネセフィっぽいバレンタインのお話でした。…やっちまったよ母さん…

20090217






第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!