「そういえばさ、莉亜って運動会の時に応接室の窓から飛び降りたよね」
「あ、えっと…うん。飛び降りたっていうかジャンプした」
「どっちも同じだよ」


今更なんだけどあの時は吃驚したんだよね。だって莉亜って大勢アレルギー？的な症状で気分悪くして貧血みたいになったのにね。
すっごい心配してたからＡ組の総大将だった沢田綱吉を看取って(…)莉亜のところに急ごうと思ったら本人がすぐ傍まで来てるんだから。
………凄く吃驚した。


「で、何で飛び降りたの？もう少しで下着見られてたよ」
「えっとあの時はそんなことどうでもよくて……」
「全くどうでもよくないけどね」
「だって応接室の窓から恭弥を見てたら、恭弥を引き摺り落とそうとした男子生徒が登ってきて恭弥の足元を（ズボンの裾）引っ張ってたから…」


それと、莉亜が飛び降りるので何の関係が…


「でね、その男子生徒の手がもの凄く黒く見えてその手が恭弥に触れたら恭弥まで真っ黒になりそうだったからなんとしてもそししなくちゃー！って思ったんだよ」
「へ、へぇ……」
「もう”恭弥は私がまもる！”みたいな正義感？が沸いてきてしまったから止まらなくて勢いで飛び降りたんだよ」
「ぼくは、君に守られるほど弱くないけどさ」
「いーや！あのときは私が守らなかったら恭弥が汚れてたから！」


なんか危ない発言…？
ていうか莉亜が黒い。何これ。


「やっぱり恭弥は私がいなくちゃ駄目ね」
「そんなことな『ある！』…そう…」
「えへへ、愛故だよ、わかってる？」


……その上目遣いに弱いの知ってるよね莉亜って。でも計算しているのか素なのか、わからないから恐いし、余計に可愛く見える。
だめだなぁ、黒いって発覚したのにやっぱり莉亜には弱いみたいだ。



(そういえば棒倒しの後、莉亜いなかったけど何してたの)
(その男子生徒に少ーーーーしだけ痛い目見せてあげてたんだよ)
(…黒いっ…この子黒すぎる)