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さよならの代わりの

ヒズメ(6)
カナギ(6)

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SE:リーン、リーンと鈴の音がどこからともなく聞こえてくる



1_ヒズメ01『……私は愚かでした。幼くて無知で、世間知らずでした…。』



02_カナギ01「いいかい、ヒズメ。どんな時もこの赤い巾着を肌身離さず持っているんだよ」


03_ヒズメ02「なぁに?これ…」


〔幼いヒズメは首を傾げて、首からぶら下げられた赤い巾着を見た〕


04_カナギ02「これは……御守りだよ…。今日みたいにヒズメが怖い思いをしないように……兄さまが念を籠めたんだ。いつも、どんな時も…兄さまはヒズメと一緒にいるよ」


05_ヒズメ03「うん!兄さまとずっと一緒!」




SE:リーン


06_ヒズメ04『この想いは決して報われない。そして私を苛み続ける痛みは決してなくならない…』


SE:風が巻き起こる


07_ヒズメ05『だから私は…………』



08_カナギ03「ヒズメが15になる年、一緒に蛍を見に行こう」

09_カナギ04「大丈夫だ。ヒズメを置いては行かないよ」

10_カナギ05「眠れないのかい?しょうがないなぁ。ほら、こちらの布団にお入り」

11_カナギ06「もう怖くないよ。目を開けてごらん?ほら、月がとっても綺麗だよ」


〔強い風が吹き荒れる中、カナギの言葉が次々とフィードバックしていく〕


SE:ザーと強い雨の音(若しくは嵐の音)


12_ヒズメ06「ごめんなさい……兄さま………」



SE:パリーンと鏡が割れる音が反響する




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