雪が溶けたら
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慧子、恭平&紫⇒高二 夏の終わり頃
放課後の陽が落ちはじめ、オレンジ色になった廊下で慧子と恭平窓にもたれ話している
慧子「恭ちゃんってば、モテるんだ〜?見ちゃったぞ?昨日の放課後〜」《からかうように》
恭平「昨日の放課後…?あぁ…紫か?」《ちょっと考えてから、何気なく返す》
慧子「恭ちゃんって奥手だと思ってたけど……意外とそうでもないんだ……もう名前で呼び合う仲なんだね……」《軽くショックを受けるが、それを気付かせまいと明るく振舞う》
恭平「え?いや……別にそうゆうんじゃ…ないけどさ……」《やんわりと否定するが…満更でもなさそう》
慧子「……じゃあ…どうゆうの?」《真剣に詰め寄る》
恭平「と、友達…だよ。」《一瞬、慧子の真剣な瞳に戸惑う
》
慧子「ふ〜ん…友達……なんだ?」《半信半疑などこか探るような口ぶりで》
恭平「それ以外になにが……」《『なにがあるんだよ?』に続くニュアンスで。平然と》
ガタッ…
廊下の角から紫が、おずおずと現れて
紫「あ…ごめ…なさい……ちょっと……忘れ物しちゃっ……っ。」《明るく引きつった笑いを浮かべるが、涙が堪えきれず駆け出す 》
紫、踵を返して走り去る
恭平「……むらさ…!」《慌てて呼び止めようとする》
慧子「……恭ちゃん!……追って!……追いかけて!」《必死に懇願するように》
恭平「……慧子…」《『おまえ…なんで?…』というニュアンスを含みつつ、困惑した顔で慧子を見つめ》
紫『そう、これは背中越しの恋。後ろからその背中を見つめているだけの…一方通行な思い。その背中越しに見る空は……今日も真っ赤だった』
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