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雪が溶けたら
U
紫&恭平高二 春




HR/教室





紫『彼の名前を知ったのは……つい最近。今年になって、クラスが一緒になったからだ』


椅子を引いて立ち上がり、恭平挨拶する

恭平「椎名恭平です…。趣味とか特にありませんけど……読書とか好きです。宜しくお願いします」《そっけなく淡々と


紫『椎名……恭平…。恭平…。私の頭の中で何度も何度もその名前が繰り返される。頭に焼き付けるみたいに』






放課後/図書室




図書室の隅の窓際の席で一人恭平が読書している


紫「あ…あれは……よ、よく…図書室にいるんだね」《恭平を見つけて、勇気を出して声をかける》


恭平「え?……あぁ、同じクラスの…」《最初、誰か気付かないが、少しして気付く


紫「那御です。那御紫…。前に…ここで脚立から落ちた時に……助けてくれましたよね……?覚えてますか…?」《緊張してしどろもどろになりながらも必死に


恭平「あ…あぁ…そんなことあったね…。俺のこと覚えてたんだ?」《なんとなく覚えていたが、覚えられていたのがちょっと意外だったような驚きで


紫「も、もちろん…!覚えてました。あの時ちゃんと御礼言えなくて……ごめんなさい。」


恭平「あぁ…別に…そんな……いいのに。」《優しく微笑んで


紫「いえ……下手したら、頭打ってたかもしれないし……本当、ありがとうございました!」《勢いよく頭下げて


恭平「ぷ。あはは……あ、笑ってごめん。なんか……凄い…大袈裟だから…つい……」《紫の真剣な形相と勢いに笑いがこみ上げてきてつい声高らかに笑ってしまう


紫『椎名くんの笑った顔…初めて見ました。とっても柔らかく笑う人だなぁって……ついつい赤面硬直したまま見とれてしまいました』





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