雪が溶けたら
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恭平&慧子→高二
恭平と慧子、放課後の教室で窓際に立ち話をしている。
恭平「おまえって……突然去って……突然現れるんだな」
慧子「えへへ…。ごめんね。あの時も何も言えなくて……。でも……昔、約束したでしょ?」
恭平「え?……約束?」
慧子「……もう……忘れちゃったか……。そう、だよね……」《残念そうに、しかし無理して笑いながら》
恭平『……あの雪の日の慧子の姿が浮かぶ。俺にしがみついてきたあのか細い手が……雪みたいに真っ白だった……』《小さかった頃を思い出して》
慧子「大人になったら……絶対ここに戻ってくるから……」《どこか遠くを見ながら、ゆっくりと》
恭平「…え……それ……」《それって…まさか?に続くニュアンスで》
慧子「あの雪の日に言った約束……。」《しっかりと前を見据えて》
恭平『その慧子の真っすぐな澄んだ瞳で見つめられて……俺は……あの時本当はよく聞こえなかったんだ……なんて言えなくなってしまった……。』
慧子「その様子だと、手紙も読んでないでしょ〜?」《少しおどけながら》
恭平「ご、ごめん……。まだ持ってるけど…」《心から悪かった…という感じで》
慧子「いーよ、もう読まなくて!こうして……会えたから……。」
恭平「手紙……なんて書いたんだ…?」《悪気は一切なく》
慧子「私の口からは絶対言わない…!(笑)」《笑いながら少し意地悪に》
恭平「な、なんだそれ?よーし、分かった。帰ったら即効読んでやる!」《こちらも意地になって》
慧子「だ、だめ!!恥ずかしいから読んじゃだめ!」
恭平、廊下に出て帰ろうとするのを慧子が追う
恭平「ぷ。変なやつ。」
慧子「へ、変じゃないよっ!今まで手紙読もうともしないなんて……!そっちこそおかしーよ!」
恭平「おかしくねぇって。タイムカプセルに入れる手紙を人に渡す奴の方がよっぽど、おかしいだろ〜」
慧子「え〜…だ、だってあれは……さ……」
―↑慧子「だ、だめ…」から手紙の読みと被って―
【これは、編集の関係によるものなので、役者の方々は、普通にそれぞれの台詞を演じて下さって構いません】
慧子『私は、雪が溶けて春になったら……別の学校に行くことになるかもしれません。離れ離れになるのは寂しいけど……また絶対、恭ちゃんのいるこの町に戻ってくるから……。だから…私のこと忘れないでね。大好きな恭ちゃんへ』
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