雪が溶けたら
V
慧子&恭平⇒高二 夏の終わり頃
恭平と慧子、放課後の帰り道。河川敷を並んで歩いている
07恭平「俺さ……鈍感…かな?」《唐突にぽつりと口を開く》
14慧子「…え?…なに、いきなり…」《唐突過ぎて一瞬何を言われたか理解できなく恭平の顔を見て》
08恭平「いや…この間、紫のやつ泣かせちゃっただろ…?あれ……やっぱり…俺のせいだよな…?」《思いを巡らせながら。ゆっくりと》
15慧子「…紫ちゃんを追い掛けた後、ちゃんと話聞いてあげたの?」《責める風ではなく優しく》
09恭平「あぁ…聞いた。でも……ちゃんとは話してくれなくて……。なんだかあれから…気がついたら紫のことばかり考えてるんだ……。俺……どうしたんだろ」《真剣にどうしてなのかとか悩んでいる》
16慧子「………ふ。四六時中紫ちゃんのことばっかり考えてる?」《少しおどけて恭平をからかうように》
10恭平「……ん」《眉間に皺を寄せて考えながら頷く》
17慧子「…それってば、“恋”って言うんじゃなかろうかね〜?」《更におどけた調子で》
11恭平「……そう……なのかもな…」《真顔でやっと理解したというような感じに》
18慧子「……っ」《はっとする》
19慧子『今でも…覚えてるんだ……。夕焼けに照らされた恭ちゃんのあの表情…。何かを悟ったような…初めてその感情が何なのかを理解した…子供みたいな…』
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