雪が溶けたら
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慧子&恭平⇒24歳 冬
電車の通り過ぎる音
07慧子「…げ。もうこんな時間…。早く帰らないと…」《携帯の時計見ながら慌てて》
慧子、足早に歩いていると、雑踏に恭平に似た人を見つけ咄嗟に声をかける
08慧子「…!?きょ…恭ちゃん…? 嘘…待って!」《追いかけて小走りで》
09慧子『足早に通り過ぎた男の人…あれは、確かに…恭ちゃんだった!』
走る慧子、男性を呼び止める
10慧子「はぁはぁ…恭ちゃん…!」《やっと追いついて息きらしながら》
04恭平「……え…慧子…?なんで…」《振り向いて驚く》
11慧子「やっぱり恭ちゃんだった…。」《安堵の息漏らして》
05恭平「あ…そっか…おまえ東京で仕事してたんだよな。久しぶりだな。元気か?」《何気ない会話をするように》
12慧子「……元気…だよ。」《複雑な思いで》
06恭平「それなら良かった。」《やんわりと笑う》
13慧子『…全然変わらない。恭ちゃんはあの頃と何も変わってない……。雑踏の中で優しく、柔らかく微笑む恭ちゃんに…あの日の放課後の恭ちゃんが重なっていく――…ぼんやりと、それでいて鮮やかに…』
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