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熱に浮かされて6◆



「い…っ」


慣らしたとは言え、指とは比べ物にならない質量が押し入ってくると、後孔はぎちりと悲鳴をあげた。


「…痛いか?」

「だ、いじょ…ぶ」


挿入を止めてまで気遣ってくれる小十郎さんに、出来るだけ微笑んで、続けてくれと伝えた。
躊躇いながら、行為を再開した小十郎さんは、出来るだけゆっくりと、俺様に苦痛を与えないようにと、腰を進める。




…小十郎さんだって、辛いはずなのに。




やがて、小十郎さんが全てを俺様の内部に納めたころには、痛みと異物感は大分薄れてきていた。


「佐助、平気か?」

「…うん、へいき、だよ」


それを聞いてか、小十郎さんはゆっくりと腰を引き、律動を開始する。
ぐち、と結合部から水音が聞こえ、それと比例するかのように、羞恥が頬を染めあげた。


「っふ、うぁ…」

「佐助…」


小十郎さんの先走りだろうか、内部に潤いが増し、先程より大分動かしやすくなったみたいだ。
小十郎さんが内部を擦る回数が増えるたび、痛みで薄れていた快感が再び増えてきているのも感じていた。


「あ、っく、…あぁっ」

「佐助」


俺様が快感を感じ始めたことに気付いたのだろう。
小十郎さんは、内部の弱い場所ばかり攻め立てる。


「ひっ!!あ、こ、じゅろさ…そこ、ばっかり、やだ…っ」

「やだ、じゃないだろう、佐助」


そう言って、小十郎さんは自身が抜けてしまうギリギリの所まで引いてから、弱い場所めがけて一気に突き入れた。


「―――やっああぁあああ!!」


内臓が一気に押し上げられたかのような感覚と、内壁を勢いよく擦られる感覚に、息が詰まる。
思わず、小十郎さんに抱きつく腕に力を入れる。


「あ、あっあぁ、こじゅ、ろ、さん…っ」


強弱をつけて与えられる快感に耐えていると、小十郎さんに切羽詰まったような声で呼ばれた気がして、顔をあげた。


「ふっ、あぁっ、こじゅうろ、さん?っ」

「…佐助、好きだ。愛している、一生お前を、離さない…」


首筋に抱きついていたため、自然と近かった俺の耳に、愛しい人の低音の声は鼓膜に直接響いたかのようで。

全身の血という血が脈打ち、限界まで登り詰めるには容易かった。


「あ、こじゅ…ろ、さん…っ!!うあ…ああぁああっ!!」


先程出した白濁の上に、更に白濁を叩きつける。
無意識のうちに内部も締まり、中の小十郎さんも締め付ける。


「っく…」


小十郎さんが息を詰めた気配がしてすぐ。
肩を震わせて、小十郎さんが俺様の内部にと欲を吐き出した。

どくどくと、数回に分けて中に注がれた熱い欲を感じながら、達した余韻に浸っていると。

小十郎さんの力が一気に抜けて、体重が一気に俺様にのしかかってきた。


「ぐふっ!!ちょ、小十郎さん!?」


慌てる俺様の耳に聞こえてきたのは、明らかにすやすやと眠る小十郎さんの寝息で。


「ちょっと…まさか…寝てる?」


意識を手放した小十郎さんは、体格通り重かった。
何とか抜け出そうと、小十郎さんに声をかけたり、もがいたりしてみたが、変化はなかった。


「うっそ、まじで?」


無理やり抜け出そうともしたが、小十郎さんは達してすぐに意識を手放してしまったため、俺様の中から当然抜いていないわけで。
抜け出そうにも無理だったのだ。


「…風邪引いてたくせに、無理するから」


身体は重いし、情事後だからかなり怠い。
奥州までほとんど休憩も無しに駆けてきたから、身体も疲労して、すぐにでも眠りたい。



でも、




仕方ないから、今回は許してあげよう。




普段なら、絶対見られないであろう小十郎さんの姿がたくさん見れた。




いつもなら、恥ずかしがって絶対言わない台詞もたくさん聞けた。





俺様には、それだけで十分で。





俺様には、それがとても嬉しくて。




いつ目覚めるか分からない愛しい人を想いながら、目を閉じた。











end

2011.02.07 柑奈





→後書き&付録

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