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ある朝の風景


「なあアルス!すっげー場所見付け―――」

アルスの部屋に駆け込んできたキーファは、まだベッドで寝息を立てているアルスを見て、口をつぐんだ。

「おーい」
「…すー…」
「寝てるのか?しょうがない奴だなあ」

キーファはベッドの傍に腰を下ろすと、アルスの顔を覗き込んだ。

「…幸せそーに寝てやんの…」

試しに頬をつっついてみたが、アルスは起きる気配も見せずに、気持ち良さそうに眠ったままだった。

「…………ふわぁ…なんだかオレまで眠くなってきたぜ…」

暫くアルスの寝顔を見ていたキーファだったが、大きな欠伸をひとつすると、ベッドに寄り掛かるように眠りについた。




「……ん…」

アルスは肌寒さを感じて目を覚ました。
被っていた筈のシーツが無い。というか、いつの間にか床で寝ていた。
自分はそんなに寝相が悪かっただろうか、と首を捻り、起き上がる。
すると、ベッドの上に大の字になって寝そべる親友の姿を確認出来た。

「…キーファ?」
「ぐかー…」

キーファはいびきを立てて眠っている。
何故だかわからないが、恐らく自分が起きるのを待って、そのまま寝てしまったのだろう、と完結付けた。
キーファは床に寝ていてもベッドに辿り着く、素晴らしい寝相を持っていた。

「キーファー」

呼び掛けても返事は無い。
つい数十分前、自分がそうされていたとは露知らず、頬をつついてみるが、やはり反応は無し。

「…先行っちゃうよ?」
「……ダーメ」
「あれ、起きてたの?」
「今起きた…くあー…眠」

アルスは、二度寝しようと再びシーツを被った友人を、半ば呆れながら揺さぶった。

「僕の家に寝に来た訳じゃないでしょ?」
「うん…?
あ!そうだったな!」

がばっ、と起き上がったキーファは、山中にある神殿について話し始めた。

「…で、どーしても入り口が開かなくってさあ!」
「そうなの?」
「そうなんだよー…あ、ってか腹減ったからさ、」
「朝ごはん?」

アルスの質問に、キーファの腹は元気良く音を立てた。

「じゃあ何か作るね。今日は家の人が居ないから」

いそいそと食事の支度へ向かうアルスに、キーファは頬を弛めた。

「(新妻みたいだなー…)」

だらしない顔のまま、いい匂いがするまで寝ていようと決め込むのであった。





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キーアルの良さを声を大にして叫びたい\(^p^)/




あきゅろす。
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