[携帯モード] [URL送信]

この胸いっぱいの、愛を。


窓からよく見えるグランウンドで、今日も練習しているサッカー部。


その中であたしの目が迷いなく捕えたのは、砂まみれで走っている柳の姿。


「柳だ」


他のことにはいい加減でも、部活だけはしっかりやる柳。サッカーしてる柳は真面目にかっこいいと思う。





「いいの?他の人にとられても」

頑張る柳につい釘付けになっていると、まこちゃんが真顔でそんなことを聞いてきた。


「なんで?」

言っている意味がわからず首を傾げる。

まこちゃんから普段積極的にそういう話はしないから。
一瞬あきれた顔をしてから、「あれ」と人差し指を窓の外に向ける。



「あれ?」



視線を泳がせていると、サッカー部の練習を、というよりあれは絶対柳を、グランウンドの隅から見ている何人かの女の子たちが目に入った。


多分「あれ」のことだろう。


なんでわかるかって、柳がかっこいいからに決まってる。






「やだ!」


ようやくまこちゃんの質問に答える。



まこちゃんが珍しく笑ったのに内心驚きつつ、大きく息を吸い込んだ。



[←][→]

2/4ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!