散文置き場(短編集)
せかんどあにばーさりー(片倉組全員集合)



















「片倉組二周年だぜッ!!!」



幸村はポーズを決めて声高々に宣言。



「暑苦しい…………」

「何だー!?佐助ッ」

「何でもないです絡まないで下さいごめんなさい」



主君とは対称的に冷めた従者。



「よし!めでたい日だから佐助、お前脱げッ!!!」

「は?何言ってるんですか?ぶっ飛ばしますよ?」

「何でだー!?」



佐助は静かに苛ついていた。



「俺が脱いでどうすんですか…………どうせ脱ぐなら阿梅様の方が」

「何を言っているのですか佐助?ぶっ飛ばしますよ?」

「ご、ごめんなさいッ」



阿梅の笑顔に佐助は冷や汗が出た。




「真田組は元気がありますなぁ…………」

「まぁ、しかしどうせ脱ぐならこんなオジサン達より若い方がいいですよねぇ」

「若い………………」



景綱の目が光った。



「虎太郎!!」

「は、はいッ!?」

「お前が一番の若輩者だ!脱げッ」

「えぇぇぇえ!?」



あの強面で凄まれては拒むことなど到底無理だ。



「待たれよ」

「綱元殿?」

「先程から脱げ脱げと…………そんなことを若者にさせてはなりませんぞ」

「これは………面目ない」



変に盛り上がった場は平常を取り戻した。



「それに…………脱ぐということは肌を晒す…………それは殿の専売特許ではござらぬか!!もちろん見て良いのはこの爺だけですがッ!!」

「つ、綱元殿がご乱心だッ」



またしても騒がしくなる。




「おいおいおいおい、さっきから何の騒ぎだ?せっかくの二周年なんだからちゃんとしろよ」

「大殿!」



満を持してツッコミ役登場。



「全く………何で祝いの席で脱ぐ必要があるんだよ?言い出しっぺは誰だ?」

「幸村様が俺に脱げって…………」

「はぁ………………幸村は何でそんなことを言い出したんだ?」

「ただ何となくだッ!!!」

「………………」



あまりにも清々しい意味なし発言に絶句。



「大殿………………ぶっ飛ばしていいっすか?」

「あぁ…………俺も手を貸したいくらいだ」

「テメッ!佐助ッ!部下のくせに主を何だと思ってるんだ!」

「別に?」

「ヒドッ!!」

「………………さて、」



政宗は咳払いを一つした。



「さぁ、片倉組結成二周年だ!ビシッと派手に決めるぜ小十郎!?」

「ハッ!!」



景綱は一礼をしてから何やらゴソゴソし始めた。



「ッ!!!」



ガチャンッ



「さぁ、殿…………派手に行きますか?」

「ま、待て!何で火縄銃!?」

「花火は無理ですのでこれでも撃ち鳴らそうかと」

「仕舞え!お前が構えると狙われてるようで俺が怖いッ!」

「ではどのように祝いましょう?」

「そうだなぁ…………ん?」



伊達主従が思い悩んでいると、外野が騒がしくなってきた。



「成実殿が酒を振る舞って下さったぞ〜!」
「虎太郎はまだ飲めんか?」
「僕はご飯があれば十分テンション上がりますから」
「カレーで良ければたくさんあるナリ〜」
「やっぱりここは温麺ではないのか?」
「幸村様、何かつまみ作って下さいよ」
「俺を顎で使うなー!!!」
「父上、うるさい」
「す、すまん」



宴会が始まろうとしていた。



「………………」

「………………我らにはこの自由さが最高の祝い方ですな」

「それもそうだな」



呆れたように、けれど満たされたように溜め息を一つ。




「よしッ!俺様の席はどこだー!?」

「殿はこちらへ〜」

「いや、綱元の隣りは遠慮するッ」



断固拒否をして席につく。



「さぁ皆の者、盃を掲げよ」

「行くぞ野郎共ッ!!れっつ・ぱーりぃー!!!」

「「やぁーッ!!!」」





型に捕らわれず、

各々が自由に、

ファンを喜ばせ、

自分達も楽しむ。


それが『片倉組』

























12.09.07
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片倉組さん、二周年記念〜♪
おめでとうございますゴタゴタ小話。

3年目もフリーダムに歩んで行って下さい。

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