散文置き場(短編集)
ピュアホワイト(漆+佐)













「漆黒様ぁ〜」


「ん?」



佐助は笑顔で漆黒に駆け寄った。



「これ、バレンタインのお返しです」

「マメだなぁ………別に良かったのに」

「いや、気持ちですから」

「ありがとう」

「いえ…………」



差し出した紙袋を、柔らかな笑顔で受け取る漆黒に
佐助は思わず赤くなってしまい、視線を逸らした。



「わざわざ悪いなぁ…………お?」



紙袋の中を覗くと、多分お菓子であろう包みと



「おぉ〜、これはありがたい」



中に入っていたのは、高保湿を謳ったハンドクリーム。
手に気を遣う漆黒は喜んだ。



「まだこの時期も手がかさつくからなぁ、使わしてもらうよ」

「いや、違います」

「は?」



紙袋から佐助へと視線を戻した。




「それは後ろ用の潤滑ゼリーの替わりです」

「…………は?」



佐助の言葉の意味が分からない。



「それでしっかり潤わせて、ホワイトデーだから、俺の白いのを漆黒様の中にたっぷりブチまけるのがホントのお返しです」

「は!?お前、何言ってんのッ
!?」



恥ずかしそうだが、瞳は真っ直ぐ。
そんな佐助に漆黒はとんでもなく動揺した。



「ダメ?」

「いや、お前がそんなこと言うなんて思いもしなかったから、ちょっと待て」

「嬉しくない?」

「嬉しいわけあるか!」



困惑しているところへ、見当違いの疑問系。
漆黒はつい声を荒げてしまった。



「おかしいな………こう言えば漆黒様喜ぶって聞いたのに………」

「…………ちょっと待て」



眩暈がしてこめかみを押さえた。



「聞いたって…………誰がそんなこと言ってたんだ?」

「え?政宗様ですけど?」

「ッ────」



気が遠くなった。



「あの馬鹿野郎………どこまでアイツの脳みそは湧いてんだよ………」

「大丈夫ですか?」



よろめく漆黒を支えようと手を出した。



「お前………こんないい加減なこと真に受けんなよ」

「おかしいですか?」

「当たり前だろう!」



どいつもこいつも、と苛立つ。



「俺は………漆黒様に言われたら、嬉しいけど、な………」



ほんのり頬を染める佐助の瞳は期待に輝いている。




「言うかッ!阿呆!!」








漆黒の怒りの行き場はどこへ?

















12.03.14
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漆黒様はイジられキャラだけどツッコミ担当。
政宗様がどんどん変態キャラへと落ちていく。

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あきゅろす。
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