散文置き場(短編集)
後の祭りA(R18半×佐)























ズボンも下着も脱がされて、
スースーする下半身のまま便座に腰掛ける。




「ほら………しっかりしゃぶれよ?」

「……………」



仁王立ちで見下ろす半蔵は笑みを浮かべている。

悔しくて佐助はすぐに視線を逸らすが、
目の前には硬く反り勃つソレ…………



「早くしろよ…………じゃなきゃ無理矢理突っ込むぜ?」

「…………」



躊躇している佐助を急かす。



「分かってる…………」



佐助は一度目を閉じ、気持ちを整え
半蔵の根元をそっと握った。




「…………ッ」



ピクリと反応。


横一文字に閉じられていた口が
ゆっくりと開かれる。


嫌々な表情と態度。
その佐助が服従する様に

顔がにやけそうで、半蔵は堪えた。



「ン…………」



亀頭が口に含まれ、まだ躊躇している舌が先端に触れた。



「ちゃんと根元まで濡らさないと、痛い目見るのは自分だからな?」

「……………」



自分のため、そう言い聞かせても
何故こんなことになったのか佐助は悔しくて仕方がなかった。




「まぁ…………ただ濡らすだけじゃなくて、漆黒さんのちんこみたいに旨そうに舐めろよ」

「…………」

「あの人ってデカイから、ちゃんと付け根まで咥えられんのか?」



半蔵は喉の奥で笑いながら質問を投げかける。



「口でイカしたことあるか?……って、ないよなぁ〜こんなんだもんな」

「……………」

「男なんだから、感じるトコくらい分かるだろ?俺がさっきやったみたいにさ…………」

「ッ…………」



ドクン、と下腹部が脈打った。


半蔵の、ゆっくりとした問い掛けは
先程まで与えられていた刺激をフラッシュバックさせるのに十分だ。



「舌と上顎で、ほら………上手くフェラ出来たら漆黒さん喜ぶぜ?」

「ンッ…………」



髪を撫でられ、背筋がゾクゾクした。


「なぁ………あの人とどんなセックスするんだ?」



半蔵の指先が髪から、
耳、頬………
ゆっくりとなぞっていく。



「優しい?激しい?エロい?」



問い掛けは答えを求めてはいない。


佐助の想像力を働かせて、
相手が漆黒であるような錯覚。

カラダが漆黒を求めて熱くなっていく。



「俺じゃなくて、漆黒さんとヤリたくてたまんないんだろ?」

「…………」

「しゃぶり方で分かるぜ?」

「アッ!?」



半蔵は佐助の肩を押し、口での愛撫を中断させた。

突然視界が変わり、見ないようにしていた半蔵と視線が交わる。



「このまま口ん中で出してもいいけど、時間が掛かるしお前が辛そうだからな」



ニヤリといやらしい笑み。



「勃起してるし、物欲しそうに俺のちんこ咥えるし、お前って淫乱だな」

「んなッ!?」



佐助は全身の毛穴が開く位、一気に体温が上がった。



「入れてやるから立てよ」

「あっ」



腕を引っ張り立たされ、身体を反転させられる。



「もっとケツ突き出せよ」

「ッ…………」



顔を見なくて済むが、背後から何をされるか分からない不安。



「おいおい…………ヒクヒクしてるぜ?」

「ッ!!」



尻を鷲掴みにされて、晒されたアナル。

佐助の羞恥は極限まで高まる。



「俺のちんこでも今すぐ欲しくてたまんねぇってことかよ?」

「違ッ」



欲しいのはあの人…………



今の相手が半蔵だというのに、
カラダは欲して言うことをきかない。



「太いの入れてやるよ…………」

「ぁ…………」



嫌なのに、違うのに、


高まる性欲



「しっかり濡らせって言ったけど、玉までヨダレで濡れ濡れじゃん………やらしいな、お前」

「ッ………」



羞恥、屈辱、不安…………


悔しいことに、その全てがカラダを高潮させた。



「入れるぜ…………」

「ぅ…………アッ!!」



背後に覆い被さる半蔵の先端が押し当てられ、佐助の身体は強張る。



「デカイ声出すなよ」

「ンッ──────!!!」



後ろから強引に肉を割り入ってきて
佐助は悲鳴を上げる。


しかし、半蔵に口を手で覆われたため、声にはならない。



「キ……ッツ………力抜けよッ」

「ンッ!!」

「こんなんじゃ漆黒さんのちんこ食いちぎっちまうだろ?」



佐助は痛みと悔しさで身体が小刻みに震えた。



「いつもはエロく股広げて腰振ってんのにな、」

「ンンッ!」



ズブズブと力任せに埋めていく。



「は………ァ………入った入った………」



大半をねじ込んで半蔵は身体を起こし、佐助の口から手を離した。



「う、あ…………」



ようやく解放された口で、身体を動かさないように佐助は酸素を取り込む。
僅かな振動でも、結合部への刺激となるから。



「すっげぇな………俺のちんこ、しっかり飲み込んでるよ」

「あッ……う、ごくな!」



腰を掴み、結合部をじっくり眺める半蔵を止める。



「何で?お前のヨダレのおかげでヌルヌルしてて動けるぜ?」

「や、アッ!」

「もしかして………もう後ろでカンジちゃってるとか?」

「ち、がッ!」



太い異物の圧迫感。
苦しさと痛み、そして

僅かな快感…………



指摘されて佐助は赤くなる。



「どんだけ変態なんだよ」

「ンンッ!!」



半蔵はグイッと腰を突き上げたので、
声が出てしまう前に佐助は自分の口を手で押さえた。



「じゃ、遠慮なくイカせてもらうぜ?」

「ッ─────!!!」



愉しんでいる声色に佐助は血の気が引いた。




「すっげ、締め付けッ」

「ンンッ!!」



抜き出る限界まで引き、
そして奥まで突き上げる。
その繰り返し。

ゆったりとした律動でも強い刺激。

キツイとも感じるが、きゅうきゅう締め付けてくる粘膜に、半蔵は笑みが止まらなかった。



「漆黒さんって、こんな気持ちイイ思いしてんだ………」



佐助に投げ掛けるというよりは、独り言のように半蔵は呟いた。

勿論、佐助にそんな呟きなど耳に届く余裕はない。




「ハ、ぁ………」



後ろから与えられる刺激。
自然と身体は熱くなり、猛る下腹部。

半蔵の腰の動きに合わせて揺れる勃起したソレ。


中途半端に口での愛撫に快さを感じたから

擦りたくて、吐き出したくて、

半蔵の手前、そんなことは自分では出来ないから悔しくて

半蔵が手を伸ばしてくれないかと、
心の中で哀願した………




「あぁ…………た、まんねぇ」

「ぅ、ンッ」



そんな佐助とは対象的に

より一層硬くなり、より深く
半蔵は快楽で満たされた溜め息を漏らす。



「時間ねぇから……もう、イクぜ?」

「ッ…………!!」



律動を速める。

あと少し、あと少し



佐助は高まる快さを、身体を仰け反らせて全身で感じた。



「くっ……アッ─────」

「えッ!?おいッ!」



体内で脈を打つ感覚に佐助は焦った。



「お前ッ!」

「フゥ………出た出た………」

「出た、じゃなくて!お前、中出しって」

「あ?すげぇ出たよ」

「し………んじらんね……」



半蔵は身震いをして、しっかり吐精した。



「ハァ………」

「アァッ!」



ぬるりと引き抜くと、佐助は身体を大きくビクつかせ
楔を失ったアナルは物足りないと言わんばかりにヒクつく。



「………ホントに淫乱だな」

「ッ!!」



それを見て半蔵は佐助の羞恥を煽って笑う。



「さぁ、早く戻ろうぜ」

「えッ!?」



振り向くと、ファスナーを上げて身支度を整える半蔵。



「え、って何だよ?時間経ってるから戻らないとな」

「ッ………!!」



佐助はまたしても中途半端にされて、

悔しさや怒り、
中出しされた気持ち悪さ
イケなかった息苦しさで絶句した。



「どうした?」

「………っるせぇッ!」



わざとだ。



『イキたい』と一言告げれば
手なり口なりで、性欲を満たしてくれるだろう。

どこまでプライドを傷つけるのか。



「どけよッ」



言えるわけがない。
佐助は唇を噛み締めながら半蔵を押しやり、ドアのフックに掛かったズボンを手に取る。


何て情けないんだ…………

何て愉しいんだ…………



相反する思いを胸に、トイレを出た。






「お!?半蔵、佐助!お前達どこ行ってたんだよ」



座敷に戻ると注目を集めた。



「いや〜、佐助に手伝ってもらいながら全部出してきましたッ」



元気良く発言する半蔵に、佐助は冷や汗が出た。



「おいおい、飲み過ぎかよ?」
「お前は調子に乗り過ぎなんだって!」
「すまんな、うちのが迷惑掛けて」
「スッキリしたんで飲み直しまーす!」
「少しは反省せんか!」



突っ込みが飛び交う中、
佐助は愛想笑いをしながら席に戻った。

半蔵は嘘を言っていないが、誰もセックスをしていたとは思ってもいない。
考え過ぎ、取り越し苦労でどっと疲れた。



「佐助、大丈夫か?お前が調子悪そうだぞ?」

「あぁ…………大丈夫っすよ」

「吐いてるの見て釣られたか?とりあえず烏龍茶飲んどけ」

「ども………」

「辛かったら横になってろよ」



心配されているのに佐助は上の空だった。

身体の熱は収まっていない。

モヤモヤする心とカラダ
たからこそ半蔵の笑い声が癇に障った。



「はぁ………」



気持ちを落ち着かせようと、大皿に残っていた手羽先に手を伸ばす。



グプッ



「ッ!!」

「おい、佐助!?吐くか?大丈夫か!?」



中出しされた精液が溢れ出したのだ。

その衝動に声が出そうになったが、瞬時に口を手で抑えた。



「おい、佐助!?」

「大丈夫………」



ゾクゾクする感覚に声が震えてしまった。



「大丈夫……だけど、俺、先にホテル戻りますね」

「そうした方がいいな……でも、少し休まなくて大丈夫か?」

「平気です…………」



早くこの場を去りたい。



「俺、送ってきますよー!さっきは世話んなったし」

「は、んぞう…………」



元凶が名乗りを上げたので苛立ちが増す。



「いや、1人で」

「半蔵さん、佐助をお願いしますね」

「阿梅様!?」

「せっかくのご好意なんだから甘えさせてもらいなさい」

「いや、」

「はーい!阿梅様、責任持って最後まで面倒見ますね」

「頼みます」

「ちょ、」



佐助の意思など聞いていない。



「立てるか?」

「ッ………!!」



周囲には半蔵の行動は『優しさ』に映るだろう。
しかし、佐助は偽善の笑顔から目を逸らした。

どこまでも苦しめて楽しむ半蔵にこれ以上関わりたくないという意思表示。






「お〜い、さすけぇ〜怒ってんのか?」

「付いてくんなッ」



佐助はぎこちない歩き方で居酒屋を後にした。



「阿梅様に頼まれたんだし、そういう訳にはいかねぇだろ〜?」

「もういいって!戻れよ」

「……………」

「う、アッ!?」



半蔵は後ろから勢い良く佐助の肩に腕を回した。



「さっきイケなかったからイライラしてんだろ?部屋行ったらちゃんとしてやる………か、ら………」



顔を覗き込んで半蔵は笑みが消えた。


肩を抱かれた衝撃で、また溢れ出した精液。

身震いをして、佐助はずっと堪えていた感情が露わになる。



「ホントに………もう、放っておいてくれよ………」

「ッ─────」




赤くなった目の縁、頬
そして、潤んだ瞳


涙が零れ落ちそうな切実な訴えに
半蔵は言葉を失い、手を離してしまった。




「…………やべぇ…………」



遠ざかっていく佐助の背中。
立ち尽くす半蔵はようやく我に返る。



「もう1回…………ヤリてぇ………」



切れて痛む唇を甘噛みしながら、
佐助とのことを思い返して溜め息をついた。



追い掛ければ間に合う。
無理強いすれば部屋に入れるだろう。

迫ればきっと拒まない。
ベッドの上ではもっと淫らだろう。


そんな欲求を抑える程の最後の表情………



後悔しながら半蔵は携帯を取り出した。














12.02.28
××××××××××××××××××××

Sが似合う半蔵さん。
いじめられっ子の反撃。

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あきゅろす。
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