散文置き場(短編集)
後の祭り@(R18半×佐)























「何もない…………か」





電話もメールも着信のない携帯を握り締めて溜め息をついた。





「おぉー!佐助もトイレだったのか!」

「半蔵…………」




名古屋祭りが終わり、打ち上げ会場となった居酒屋。

アルコールの入った上機嫌な声でトイレに入ってきたのは葵武将隊の半蔵。



「お前んとこの大殿さんって面白いな」

「あの人は……ね」

「普段からあんな感じ?」

「今日は酒入ってるから一段とだよ」



楽しそうに語りながら用を足す半蔵
苦笑いをしながら携帯をしまった佐助



「………なぁ…………」

「ん?」

「格上と一緒じゃ携帯なんてイジれないんじゃないかぁ」

「何…………」



浮かれた声とは裏腹に、意味深な言葉。



「伊達は名古屋と飲み会だろ?」

「………そうなんじゃない?」

「俺達二軍は声すら掛からないんだもんなぁ〜」

「……………」

「まぁ、別格の名古屋と一緒じゃ息が詰まってこんな楽しく酒は飲めないけど」



半蔵は手を洗いながら、鏡越しに佐助を見た。



「………何が言いたい?って顔してるな」

「別に」



佐助はトイレを出ようとドアノブに手を掛けた。



「だーかーらぁー、メールなんて待つだけ無駄だってこと」

「は?…………何言ってんだよ」



半蔵の言葉に佐助の背中はざわつき、出て行く一歩を留まってしまった。



「とぼけなくたっていいよ?メールチェックの相手って漆黒さんだろ」

「は?」

「今日はお互い泊まりだからがっつりヤリたいのに残念だったなぁ〜」

「だから何言って」

「付き合ってんだろ?いや、まだお前の一方通行か」



半蔵はニヤリと笑って佐助と向き合った。



「カマ掛けてるとかそんなんじゃないから正直でいいよ」

「言ってる意味が分かんないな」

「忍の情報網ってやつ?漆黒さんとヤッてんのくらい知ってるっての」

「誰の情報か知らないけど、そんなの信じるなんて」

「出所が本人でも疑えってか?」

「え─────」



佐助の表情には明らかな動揺。
半蔵は『楽勝』とほくそ笑んだ。



「俺の言ってることが嘘かホントか本人に聞いてみれば〜?」

「…………」

「ま、今はお前なんか構ってられないだろうけどな」



もう、今更隠そうと白を切っても遅いだろう。
佐助は動揺を煽られて視線を外した。




「どうせ会えたとしても相手は酒飲まされてて使いもんにならねぇよ」

「何言って」

「溜まってんなら相手してやろうか?」

「何でお前なんかに───ッ!?」




視線を外していた僅かな隙

佐助は顎を掴まれて無理矢理口を塞がれた。



「ッ…………!!」

「何すんだよっ」

「あぁ〜………血ぃ出た」



佐助は唇を袖で拭い、半蔵は噛まれた唇を触った。



「処女じゃあるまいし、随分と初々しいことしてくれるなぁ」

「ふざけんなよッ」

「俺、大真面目だけど?」

「冗談じゃない!誰がお前となんか、痛ッ!?」



馬鹿にされて佐助は怒りに任せ、その場を去ろうとしたが、腕に猛烈な痛み



「人の好意は無駄にすんなよ」

「め、い……わく、なんだよ」

「俺、ショックで手加減出来なくなりそうだなぁ〜」

「ぐ……あ、」



半蔵は佐助の腕を後ろ手に捻じ上げ、耳元でふざけて囁く。



「抵抗すんなよ?力じゃ俺には適わないって」

「痛………ッ」



確かに、昼間見た腕の筋肉は鍛えられているのに間違いはない。



「怯えんなって〜!ちゃんと善くしてやるから」

「うあっ!?」



強い力で引っ張られ、トイレの個室へと連れ込まれた。



「居酒屋のトイレなんて色気もないな………ま!カラダだけって感じで燃えるかもな」

「ッ………」



解放されたというのに肩や腕は酷く痛む。
佐助は自然に抵抗への恐怖を植え付けられてしまった。

しかし、受け入れることも応えることもしたくないので、されるがままだ。



「ぅ………ンッ」



半蔵は舌をねじ込み、唇を貪る。
あまり飲まなかった佐助には、アルコールの匂いが鼻につく。


体温の高い半蔵の舌が
ぬるりと、口内を犯す。


唾液が絡み、切れた唇の血の味がした。



「ちょ、おいッ」

「………よっこらせっと」



半蔵は佐助のズボンを下着ごと下ろし、自分は便座に腰掛けた。



「嫌だと思ってても、コレは正直なんだよなぁ〜」

「ッ!!」

「男の悲しい性かな」



露わにされた下半身は半勃ちになっていて、佐助は羞恥で全身の体温が上がった。



「えッ!?ちょ、待っ」

「ん〜?」



腰を引き寄せ、半蔵はソレを掴み
少し身を屈めて躊躇なしにそのまま口に含んだ。



「ンンッ………!」



熱い口内、柔らかい舌が先端をなぞり、
指先は陰嚢をゆっくり揉みほぐす。


突然与えられた快感に、佐助は慌てて口元を抑えて声を押し殺した。



「ンッ………!」

「気持ちいいんだったら、声出せばいいじゃん?」

「ば、か………じゃね、」

「黒様はこんなことしてくんないだろ?」

「ッ…………」

「あの人、プライド高そうだもんなぁ〜」



半蔵は舌先で先端をぐりぐり刺激して反応を楽しんだ。

当然こんなことはしてもらったことがないので、男の口は半蔵が初めてだった。

悔しいと思っても、快楽には抗えない。



「ほら足………」

「お、おい」

「よいしょっと」



片足だけズボンから抜き出し、そのまま肩に担ぎ上げた。
不安定な体勢に佐助は戸惑う。



「しゃぶるだけじゃつまんないからなぁ」

「え、や、待てって!」



半蔵は片手で佐助の尻を触り、もう片手の指を舐めた。
佐助は何をされるか理解して身構えるが、片足を取られているので逃げようもない。



「いッ、てぇッ!!」

「あぁ〜悪い…………濡らし足りなかったか」

「そ…………ゆ、問題じゃ、ないッ」



ぐいっと一気に入り込んできた指先に血の気が引く。



「慣れてればスッポリ入ると思ってな」

「慣れて、ないッ」



痛みと悔しさを、歯を食いしばって耐える。



「何で?漆黒さんとヤリまくってんじゃないのか?」

「そ……んな………してない」

「へぇ………」



息絶え絶えでの佐助の告白は、真実だろう。
半蔵はまだ開拓途中のカラダを前に、笑みがこぼれる。



「すぐに善くしてやるよ」

「アッ…………」



半蔵は指を一度抜き、ゆっくりと緊張を解くことから始めた。
そして、萎えてしまったものを再度口で愛撫して身体に快楽を与える。



「ンッ………」



後ろに痛みはあるものの、前からの快楽は佐助の脳を痺れさせた。



「お、音ッ」

「んー…………」



半蔵はわざと音を立てて硬くなったものを咥える。
誰が入ってくるか分からないような場所で、
男同士でこんなことをしている


背徳感、スリル…………


神経が過敏になっているからこそ、余計に半蔵が与える刺激は佐助の身体に響いた。



「ん、ンッ……!」

「気持ち良いか?」

「い………痛くて、よ……くないッ!」



身体の変化で一目瞭然だというのに、それでも問う半蔵の意地の悪さに佐助はムキになる。



「へぇ………善くないんだぁ」

「わわッ」

「こんなにヌルヌル指が入っちゃうのに?」

「ッ────!!」



半蔵は佐助の足をより高く持ち上げ、指の入る様子を覗き込む。



「身体が軟らかいから丸見えだな」

「ッ!」

「指1本じゃ足りなそうに見えるけど、もっと欲しいんじゃないの?」

「もう、離せッ」



人目に触れるはずのない恥部を晒し
屈辱を味わっているのに

カラダは快楽を求めている

相反する理性と欲望。



「指よりもっと太いのが欲しいか?」

「や、めろって!」

「そうかそうか、じゃあ期待に応えてやらなきゃなぁ」

「何も言ってないしッ」



半蔵は指を抜き、自分のズボンに手を掛けた。



「入るかなぁ〜……」

「ちょ、無理、無理!」

「今更引く気はないぜ?」



半蔵が掴み出した自身は、既に怒張している。



「とりあえず、このまま俺の上に跨がれよ」

「無理ッ!慣らしも濡らしも足んないから入んないって」



佐助は痛みの恐怖から逃げ腰で暴れるが、担がれた足は掴まれていて逃れられない。




「…………じゃあ、気が済むまで俺のしゃぶって濡らせよ」

「え………」

「俺はこのままレイプだって構わないぜ?」



まだ血がうっすらと滲む唇を舐めてニヤリと笑う。



選択肢は2つに1つ




「…………分かった………」




逃れられない状況で、
息を深く吐き


佐助は覚悟を決めた














12.02.19
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この2人は名古屋まつりしか接点がない。
ちぇ。

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あきゅろす。
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